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トランプ、エルサレムをイスラエルの首都認定はいかんだろ!

2017年12月15日

「エルサレム首都」思惑さまざま 中東の難題、親米政権も異論
トランプ米大統領がエルサレムはイスラエルの首都だと認定した問題では、中東の親米政権も反対姿勢を隠さなかった。8日にはエジプトやヨルダンなどでも抗議デモが行われ、パレスチナ問題が中東の最も長期かつ深刻な問題の一つであることを示した形だ。反対する背景には、各国が抱える個別の事情がある。

□エジプト・ヨルダン
エジプトは1979年、ヨルダンは94年にイスラエルと平和条約を締結し、以来、米国と親密な関係を結んだ。それが今回は、「地域情勢を複雑にしてしまう」(エジプトのシーシー大統領)などとトランプ氏に異論を唱えた。

エジプトはナセル大統領時代、「アラブの盟主」として対イスラエル戦争の先鋒(せんぽう)を担ったが、第3次中東戦争(67年)で惨敗を喫するなど結果を残せず、イスラエルとの関係構築にかじを切った。

ムバラク元政権時代の2000年代には、和平交渉の仲介役として存在感を発揮。最近はパレスチナ自治政府とイスラム原理主義組織ハマスの関係修復を仲介し、10月に和解成立が発表されたばかりだった。米国と協調しつつも、独自の形でパレスチナ問題に関与してきたエジプトにとり、トランプ氏の一方的な措置は納得できるものではない。

一方、イスラエルと国境を接するヨルダンには第1次中東戦争(48年)以降、多数のパレスチナ人が避難して難民となり、国内人口約770万人の7割がパレスチナ系ともいわれる。エルサレムで事件が起きれば即座に国内に跳ね返りかねない。アブドラ国王が「派生する問題に対処しなくてはならない」と語っており、国内情勢に腐心する様子が見て取れる。

□サウジアラビア
サウジアラビアは米国にとって歴史的に中東屈指の同盟国であり、エジプトの影響力が弱まる中で、「スンニ派アラブの盟主」の立場にある。パレスチナの問題で一歩も引かぬ立場を示したのには、そうした理由もありそうだ。

ただ、最近はイエメンやレバノン、カタールなどを舞台にイランとの勢力争いを展開しており、すでに手いっぱいとの見方もある。トランプ氏の判断により、新たな頭痛の種を抱え込んだといえる。

□非アラブ国家も
非アラブのイスラム国家であるトルコのエルドアン大統領はイスラエルとの断交も辞さない強硬な立場を示した。その後もプーチン露大統領とそろって「深い懸念」を表明するなど、厳しい対応に出た。

トルコは、昨夏のクーデター未遂事件の「黒幕」と断定している在米イスラム指導者の身柄引き渡しの問題で、対米関係が悪化。シリアにおけるスンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討では、トルコが警戒するクルド人勢力を米国が支援したこともあり、関係は冷え込んでいる。

シーア派大国イランも「軽率で挑発的な決断だ」と米国を非難。対イラン戦略を全面的に見直すとしているトランプ政権と相いれない関係にあることを改めて示した。
(エルサレム 佐藤貴生)
産経新聞 12/10(日)
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6264241

<関連記事>
イスラム諸国でデモ相次ぐ=トランプ氏に反発
AFP通信 2017年12月8日
http://www.afpbb.com/articles/-/3154737



トランプ、エルサレムをイスラエルの首都認定はいかんだろ!




古今東西、宗教に絡む問題は複雑で面倒である。
ことエルサレムに関しては、一種の怨念の土地でもある。
ここはユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地だからである。

イスラエルにとっては、かつてのユダ王国の神殿があった首都だから、
2千年の世界の流浪の果てにやっと国を取り戻し、ここを首都と宣言している。
しかしアラブ諸国も国連もそれを認めてはいないので、実質的にテルアビブ
首都機能を果たしている。


トランプ、エルサレムをイスラエルの首都認定はいかんだろ!

     イスラエルはエルサレムを首都と宣言するが世界は認めていない。


キリスト教徒にとってここはイエスが処刑され、復活した記念碑的聖地であり、
イエスを殺したユダヤ教徒のイスラエルの首都などトンデモないのである。

ちなみにローマカトリック・ギリシャ正教・コプト教会・アルメニア教会が、
雑居していて同じキリスト教会同士で勢力争いをしている、アホであるw
とにかく一神教は争いごとが大好きである。八百万の神々の国でよかったわ。


トランプ、エルサレムをイスラエルの首都認定はいかんだろ!

       イエスが処刑されたゴルゴダの丘に聖墳墓教会がある。


そしてイスラム教にとっては、エルサレムは開祖ムハンマンドが、
メッカから一夜のうちに昇天する旅を体験した場所
とされる。
ちなみにムハマンドはエルサレムには実際に行った事がない。

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          ムハマンドが昇天したという岩のドーム


いずれの宗派も、といっても元々は同じ神を信じる一神教だから、
同じ場所に三宗教に纏わる伝説や故事来歴があるのは当然だ。
しかも三宗教は憎しみ合いいがみあう歴史も共有しているのだ。


<参考>
エルサレム
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%AC%E3%83%A0#宗教とエルサレム

トランプ、エルサレムをイスラエルの首都認定はいかんだろ!


トランプ、エルサレムをイスラエルの首都認定はいかんだろ!

             エルサレムの街並み


トランプ大統領は商売人だからビジネスライクに外交を進めるのは、
彼のお得意かも知れないが、ちょっと文化的教養が足りなさすぎである。
トランプの側近はこんなデリケートな問題に誰も意見しなかったのだろうか?

アメリカはユダヤ資本で成り立つ国であり、当然ユダヤ人国家イスラエルと親密である。
しかしパレスチナ紛争や他の中東問題は多かれ少なかれ皆宗教が絡んでいるのだ。
EUの移民問題だってその文化摩擦はすべて宗教に由来しているのだ。

古来から宗教と政治が絡むと実に面倒で複雑になってくる。
日本でも織田信長が比叡山や一向宗とを徹底的に弾圧したのも、
彼ら宗教勢力が政治に口出ししてきたことが一因でもある。

しかし北朝鮮問題で東アジアが緊迫する中で面倒な事をしたものだ。
アメリカは今後の中東政策ではかなり難しいかじ取りを迫られるであろうが、
トランプの政権基盤を固めるための緊急事態だという説もある。


トランプ、エルサレムをイスラエルの首都認定はいかんだろ!

       エルサレムをイスラエルの首都と認定すると宣誓した後、
       関連文書を掲げるトランプ大統領とペンス副大統領。
       =ホワイトハウスで6日、ロイター

   https://mainichi.jp/articles/20171207/k00/00e/030/247000c



トランプ家は英国教会の分離派といわれる長老派教会に属し、
アメリカでは実業家・資産家・政治家が多い宗派である。
しかしトランプがイスラエルに与する判断をしたのも理由がある。

読者諸氏もご存知のように娘で大統領補佐官のイヴァンカも、
ユダヤ教徒のJ.C.クシュナー大統領顧問と結婚するためにユダヤ教に改宗している。
ちなみにクシュナー氏の父親も不動産開発業者である。

またアメリカはロックフェラー・モルガン・ロスチャイルドなどユダヤ財閥が、
アメリカの金融や産業を取り仕切っておりキリスト教福音派にも
聖書解釈に関連してユダヤ教を支持する教会も多い。


トランプ、エルサレムをイスラエルの首都認定はいかんだろ!

           ユダヤ資本はマスコミにも浸透している。


そしてユダヤ関連の選挙票も金と共に5000千万票も動く言われているから、
アメリカ大統領の対イスラエル政策は選挙・外交だけではなく、
アメリカ経済の動向にも大きく影響する無視できない存在なのだ。

B.クリントン、G.ブッシュjr、B.オバマも大統領就任前には、
彼らもエルサレムの「嘆きの壁」でキッパーを被り祈りを捧げている
から、
いかにイスラエル外交=国内ユダヤ勢力を無視できないかがわかる。

日本では戦没者慰霊のための靖国神社に首相が参拝しただけで、
政治利権でも政治戦略でもないのに、馬鹿野党からマスゴミまでが、
火病を起こしてシナ朝鮮に「ご注進」して発狂するから大笑いだ。

<参考記事>
トランプ家とユダヤ教、その浅からぬ関係
http://toyokeizai.net/articles/-/173824


トランプ、エルサレムをイスラエルの首都認定はいかんだろ!

         トランプ大統領がイスラエル訪問の時に
         現職大統領で初めて行った「嘆きの壁」での祈り



まあ商売人トランプの利権外交もわからんでもないが、
宗教に余計な思い入れをするとトンデモないしっぺ返しが来るぞ・・・
その点日本は中東のどの国にも平等に接しているようだがそれでいいのだ♬


 これが八百万の神々外交なのだ~!


トランプ、エルサレムをイスラエルの首都認定はいかんだろ!






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Posted by トラネコ at 00:00│Comments(8)外交
この記事へのコメント
トラネコ様

>しかし北朝鮮問題で東アジアが緊迫する中で面倒な事をしたものだ。
まさにこれですね。
東アジアでの米国のプレゼンスが後退することは避けられないでしょう。
そうなると誰が得をするかと言えば、言わすと知れた支那・朝鮮ですね。
案外、支那あたりのロビー活動の影響もあるんじゃないでしょうか。
薄汚いことをやらせたら、連中の右に出る者は居ませんからね。
Posted by krypton81 at 2017年12月15日 06:50
この決断をトランプに促したのは、娘婿でユダヤ教徒のクシュナーである事は、間違いないでしょう。 つまり、イスラエル政府の意向を汲んでの話だと言う事ですね。

 パレスチナ問題はアラブVSイスラエル=イスラムVSユダヤと言う事になっていますが、真因は別にあって宗教問題では無いと言われてきました。 中東で対立状態が持続する事で得をする勢力が双方のサイドに居て、然もその勢力が双方のトップに立って居るから、此処20年近く、イラク、エジプト、リビアと政変が起こり、然も隣国のシリアでも、三つ巴の内乱が起こって永いのに、ガザ地区に小さな紛争が起こったとはいえ、粗小康状態を保って来たのですがね。

 私は、ドゥも是はイスラエルが中東問題に再点火したくてやった事なのではないかと勘ぐって居ます。

 戦争が起これば、得をする連中と言うのは幾らでもいますが、イスラエル国内で、現政権の評判はドゥなのか、と言う疑問です。

 元々、国家の成り立ちから言って、世界のユダヤ教徒の寄せ集め国家で、対立するアラブ・ペルシャのイスラム国家と政体は同じなのに、ユダヤ教が表に出てこない事に、何時も疑問に思って居ました。 つまり求心力と言う点で考えれば、イスラエルは宗教国家とはいえ無い、すると、国家を纏めて行く上で戦争が不可欠である事になる。イスラエルは、常時緊張下に無ければ、国家が不安定になる可能性を秘めて居るのでしょう。

 満州国の成立~発展を英米が邪魔しなければ、満州国内にイスラエルが創られたのですが、こんなに揉めるのなら、建国がなっても、直ぐ内乱が起こって居たかもしれませんね。
Posted by ナポレオン・ソロ at 2017年12月15日 11:25
krypton81様
これって何か意図があるのでしょうか?
詳しい情報が足りないのでなんともいえませんが、国際社会からの非難が想定される事をわかっていて・・・何故なんでしょうかね・・・シナのロビー活動もねえ、何でもありといえばそうなんでしょうが、わかりませんねえ。


ナポレオン・ソロ様
そうですね、表向き宗教戦争の様相はあっても、実は政治とカネが絡んでいます。とはいえ、これって世界中すべてこうじゃないかと思いますよ。日本国内の宗教がらみの事件でも宗派対立はすべて利権がらみですからね。またイスラエルが絡んだ戦争はまさにシリア内乱でしょう。ISはヒラリークリントンとユダヤ金融が作ったという噂もあながち嘘ではないみたいですし。まあ陰謀渦巻くのが国際政治ですね。
Posted by トラネコトラネコ at 2017年12月15日 22:45
 英国がトランプ大統領の決定に文句を付けましたが、案の定ネットでは「おま言う」コールで炎上しましたね。トランプ大統領の決断とは別に、そもそも中東のゴタゴタは百年前の英国の二枚舌どころか三枚舌の八方美人政策が元凶でしょうに。
 思えば現在も尾を引く国際紛争の大半はシロケダモノが火種を撒いた癖に、他人事のようにふるまうのは流石奴らの遺伝的な責任逃れの体質故なのでしょうね。
Posted by KOBA at 2017年12月16日 01:51
朝鮮半島ともめてる最中に中東の火薬庫に火種ぶっこむ。
色々憶測は在りますが、
・娘婿からとユダヤ企業関連からのプッシュ
・北朝鮮とチキンレースしても利益にならないから、世界から目を背ける為。
・ロシア疑惑で大統領が捜査の対象になってるスキャンダルから目を逸らす為あえて外敵を造り、国内テロ引き締めの為、大統領強権発動のどさくさに捜査を躱す。

 トランプの首都宣言から直ぐにニューヨークのど真ん中でテロ事件。爆破した犯人は「クリスマスのポスター見てここに決めた」とか。

 政治的思惑は別として、今年は物騒なクリスマスになりそうです。
Posted by 朝鮮とは距離をとります at 2017年12月16日 16:02
KOBA様
同意です。
仰る通り、パレスチナ問題の元凶はイギリスの三枚舌外交の結果です。
しかし個人的に思うのは、これがなくてもユダヤ人とイスラム、キリスト教は大陸関係、近親憎悪の関係ですからイスラエルが建国されなくとも中東の宗教問題にからむ政治的対立はあったと思います。いずれにせよ、三つの近親憎悪宗教の対立は永遠に続くと思います。



朝鮮とは距離をとります様
同意です。
仰る通りですね、こういうスキャンダラスな言動などは、大抵は何かの目をそらす目的があるのは政界の常道ですからね。しかしこれってかえってテロ頻発させないかな・・・
Posted by トラネコトラネコ at 2017年12月16日 21:03
トランプ大統領、エルサレム首都認定、国連の撤回決議案賛成国に支援停止
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/12/post-9169.php
 とうとうココまでやるか?暴走機関車なのか。これ絶対アメリカに対する『忠誠度テスト』の意味もあるのか。
 それとも中東の政情不安定による原油値上がり→ロシアの原油・天然ガス費用回復を狙ってるのか。
Posted by 朝鮮とは距離をとります at 2017年12月23日 10:13
朝鮮とは距離をとります様
まあ、アメリカが勝手に考えてやってることですから、またそれで国益にプラスだと判断したのでしょうから、どーでもいいですが、日本はこれに賛成しなかったのは正解でした。核廃絶への反対派アメポチだらは仕方ないですが、ならば一々被爆者面すんなといいたいですね、個人的には。
Posted by トラネコトラネコ at 2017年12月23日 23:07
 
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