映画「サウス・キャロライナ」
2008年12月02日
「情けは人のためならず」というが、他人の相談事を真剣に考えていて、
自分自身の悩みに回答を得るということがしばしばあるものだ。
そして相談者を諭しつつ、妙に自分に言い聞かせている自分を発見することがある。
だから他人のために一生懸命やっていることは、
結局自分のためにやってることだということがわかる。
人間は、自戒を込めていうが、とかく自分を基準にして物事を判断するものだ。
だから「他人の立場に立って、考えよ。」というのだな・・・なるほど。
さて今日は「サウスキャロライナ」である。
1991年アメリカ 製作・監督 バーブラ・ストライザンド
主演 ニック・ノルティ、バーブラ・ストライザンド
残念ながら受賞は逃したが、アカデミー作品賞の候補にあがった秀作である。
「愛と追憶の彼方」という臭い副題がついている。これは余計である。
原題は「The Prince of Tides」。
直訳すると「潮流の王子」となる。・・・・・・内容と題名の関連がわからん。
だれかこの意味を教えていただきたい。
物語は・・・・・
サウス・キャロライナのサリバンズ島に住む元教師・トム・ウィンゴ(ニック・ノルティ)は、詩人である双子の姉サヴァンナが2度目の自殺未遂を図った事を再婚した母から聞かされた。彼女が昏睡状態で病院のベッドに横たわるニューヨークへと向かった。そこでトムは姉のかかりつけの精神科医スーザン・ローエンスタイン(バーブラ・ストライサンド)に乞われ、姉が2度も自殺へと走った狂気のルーツについて、毎日少しずつ話し始めた。そこで彼と姉とを取り巻く家族関係、親子関係、両親の関係などが赤裸々に語られていく。
最初はいがみ合っていたトムとスーザンの間にも心が通い始め、トムは彼女の息子ベルナードのフットボール・コーチを務め出し、またスーザンが世界的なヴァイオリニストである夫とは既に破綻した夫婦関係にあることも知った。やがてついにトムは、ある夏の日、父が留守の時に侵入して母とサヴァンナはおろか、トムまでもレイプした3人の脱獄囚を家族で殺し、庭に埋め、父をはじめ誰にも語らないと誓い合った悪夢の出来事をスーザンに告白する。それは姉サヴァンナの狂気を説き明かすものであると同時に、トム自身を過去から解放する告白でもあった。
こうして今度はトムがスーザンを解放する番となり、2人は結ばれた。だが、その愛も長くは続かず、待ち望んだ姉の回復を見届けたトムは、スーザンに心から感謝の念と愛を抱きつつ、妻と娘たちの待つ故郷へと帰って行くのだった。

この物語は精神科医とクライアントも含めてすべての人物の心に
深い苦悩があり、それぞれが告白する中で自らを解き放していく過程が描かれている。
だから若干、その心理的葛藤の原因などの描写が複雑でややこしい。
ただそこまで詳しく見なくても各人が心の重荷から解放されて、
生きる希望や意欲を取り戻していく様子に希望を見出す。
自らの封印した過去や過ちなどを告白する、というのは
キリスト教のカトリックの教会で昔から神父が行っている。
「告解」、「告白」、「懺悔」など西洋では伝統的なカウンセリング法みたいだ。
日本でもルーツは天台宗あたりだったか、
僧侶の修行方法の一つに内観法というのがあった。
臨済宗の白隠禅師も修行時代心身喪失になり、内観法により改善したという。
また浄土真宗の僧侶・吉本伊信が自己修養法に内観法を用いている。
内観法とは自己反省の一つのやり方である。
私は心理学は素人でよくわからないのだが、
この映画を見ていてこの自己の封印した過去を明らかにして向き合うことが、
トラウマや問題解決には役に立つということがわかった。
この作品はバーブラ個人の生い立ちがかなり反映しているようだ。
と言うのは彼女が生まれてまもなく教師であった父親が亡くなる。
彼女は実の父親の記憶がないまま、継父を実父として育つがその関係が上手くいかなかった。

母はバーブラの容姿を不細工だと信じて、彼女が芸能界へ行くことを反対していた。
バーブラはかなり年齢になるまで、しかもアカデミー賞やグラミー賞など受賞し、
各分野での賞を総なめしてきた時点でも、自分の容姿に劣等感を抱き続けていたらしい。
バーブラのように歌手、俳優、映画監督、プロデューサーと大成功を収めてきた、
人生のセレブリティーでさえも劣等感を持ち続け、悩んでいたという。
しかしこういう人は劣等感がバネになるタイプだろうとは思う。
この作品はもしかするとバーブラの自己解放の契機になった作品かもしれない。
それはさておき、この映画のコスチュームは私好みである。
バーブラ・ストライザンドのファッションがとても気に入った。
特に秋色のニューヨークと彼女のスーツのマッチングが抜群である。秋色のNYというとリチャード・ギアの「オータム・イン・ニューヨーク」を思い出す。映像の色彩そのものが私の好みで、この映画を何度もみた。
映像美だけで気に入った作品は「ラマン」92’フランスがある。
また私は個人的にバーブラ・ストライザンドが結構好きである。若いころより中年以降の演技は最高である、と勝手に思っている。右の写真はバーブラの59歳の時のものである。なんと若々しくチャーミングであろう!女性で年齢を重ねて以降に色気を感じさせる人はそういないだろう。しかもインテリジェンスを兼ねた可愛さとセクシーさを併せ持ったこの女優の素晴らしさに惚れてしまう。
この作品は彼女自身の製作・監督であり、主演も含めて二作目の秀作だと思う。
彼女の作品でもう一つ印象に残っているものが「追憶」73’アメリカである。
監督・シドニーポラック、共演がロバート・レッドフォードとくれば、絶対面白い。
この作品は別にエントリしたいと思う。
とにかくこの作品はお勧めである。
自分の人生の悩みのない人はいない。
また幼少期のトラウマが成人して以降も治癒していない人もいるだろう。
この映画は死ぬほど辛い経験を背負いながらも、
現実と向き合って生きる希望を見出す一つの参考例にはなると思う。
自分自身の悩みに回答を得るということがしばしばあるものだ。
そして相談者を諭しつつ、妙に自分に言い聞かせている自分を発見することがある。
だから他人のために一生懸命やっていることは、
結局自分のためにやってることだということがわかる。
人間は、自戒を込めていうが、とかく自分を基準にして物事を判断するものだ。
だから「他人の立場に立って、考えよ。」というのだな・・・なるほど。
さて今日は「サウスキャロライナ」である。
1991年アメリカ 製作・監督 バーブラ・ストライザンド
主演 ニック・ノルティ、バーブラ・ストライザンド
残念ながら受賞は逃したが、アカデミー作品賞の候補にあがった秀作である。
「愛と追憶の彼方」という臭い副題がついている。これは余計である。
原題は「The Prince of Tides」。
直訳すると「潮流の王子」となる。・・・・・・内容と題名の関連がわからん。
だれかこの意味を教えていただきたい。
物語は・・・・・
サウス・キャロライナのサリバンズ島に住む元教師・トム・ウィンゴ(ニック・ノルティ)は、詩人である双子の姉サヴァンナが2度目の自殺未遂を図った事を再婚した母から聞かされた。彼女が昏睡状態で病院のベッドに横たわるニューヨークへと向かった。そこでトムは姉のかかりつけの精神科医スーザン・ローエンスタイン(バーブラ・ストライサンド)に乞われ、姉が2度も自殺へと走った狂気のルーツについて、毎日少しずつ話し始めた。そこで彼と姉とを取り巻く家族関係、親子関係、両親の関係などが赤裸々に語られていく。最初はいがみ合っていたトムとスーザンの間にも心が通い始め、トムは彼女の息子ベルナードのフットボール・コーチを務め出し、またスーザンが世界的なヴァイオリニストである夫とは既に破綻した夫婦関係にあることも知った。やがてついにトムは、ある夏の日、父が留守の時に侵入して母とサヴァンナはおろか、トムまでもレイプした3人の脱獄囚を家族で殺し、庭に埋め、父をはじめ誰にも語らないと誓い合った悪夢の出来事をスーザンに告白する。それは姉サヴァンナの狂気を説き明かすものであると同時に、トム自身を過去から解放する告白でもあった。
こうして今度はトムがスーザンを解放する番となり、2人は結ばれた。だが、その愛も長くは続かず、待ち望んだ姉の回復を見届けたトムは、スーザンに心から感謝の念と愛を抱きつつ、妻と娘たちの待つ故郷へと帰って行くのだった。

この物語は精神科医とクライアントも含めてすべての人物の心に
深い苦悩があり、それぞれが告白する中で自らを解き放していく過程が描かれている。
だから若干、その心理的葛藤の原因などの描写が複雑でややこしい。
ただそこまで詳しく見なくても各人が心の重荷から解放されて、
生きる希望や意欲を取り戻していく様子に希望を見出す。
自らの封印した過去や過ちなどを告白する、というのは
キリスト教のカトリックの教会で昔から神父が行っている。
「告解」、「告白」、「懺悔」など西洋では伝統的なカウンセリング法みたいだ。
日本でもルーツは天台宗あたりだったか、
僧侶の修行方法の一つに内観法というのがあった。
臨済宗の白隠禅師も修行時代心身喪失になり、内観法により改善したという。
また浄土真宗の僧侶・吉本伊信が自己修養法に内観法を用いている。
内観法とは自己反省の一つのやり方である。
私は心理学は素人でよくわからないのだが、
この映画を見ていてこの自己の封印した過去を明らかにして向き合うことが、
トラウマや問題解決には役に立つということがわかった。
この作品はバーブラ個人の生い立ちがかなり反映しているようだ。
と言うのは彼女が生まれてまもなく教師であった父親が亡くなる。
彼女は実の父親の記憶がないまま、継父を実父として育つがその関係が上手くいかなかった。

母はバーブラの容姿を不細工だと信じて、彼女が芸能界へ行くことを反対していた。
バーブラはかなり年齢になるまで、しかもアカデミー賞やグラミー賞など受賞し、
各分野での賞を総なめしてきた時点でも、自分の容姿に劣等感を抱き続けていたらしい。
バーブラのように歌手、俳優、映画監督、プロデューサーと大成功を収めてきた、
人生のセレブリティーでさえも劣等感を持ち続け、悩んでいたという。
しかしこういう人は劣等感がバネになるタイプだろうとは思う。
この作品はもしかするとバーブラの自己解放の契機になった作品かもしれない。
それはさておき、この映画のコスチュームは私好みである。バーブラ・ストライザンドのファッションがとても気に入った。
特に秋色のニューヨークと彼女のスーツのマッチングが抜群である。秋色のNYというとリチャード・ギアの「オータム・イン・ニューヨーク」を思い出す。映像の色彩そのものが私の好みで、この映画を何度もみた。
映像美だけで気に入った作品は「ラマン」92’フランスがある。
また私は個人的にバーブラ・ストライザンドが結構好きである。若いころより中年以降の演技は最高である、と勝手に思っている。右の写真はバーブラの59歳の時のものである。なんと若々しくチャーミングであろう!女性で年齢を重ねて以降に色気を感じさせる人はそういないだろう。しかもインテリジェンスを兼ねた可愛さとセクシーさを併せ持ったこの女優の素晴らしさに惚れてしまう。
この作品は彼女自身の製作・監督であり、主演も含めて二作目の秀作だと思う。
彼女の作品でもう一つ印象に残っているものが「追憶」73’アメリカである。
監督・シドニーポラック、共演がロバート・レッドフォードとくれば、絶対面白い。
この作品は別にエントリしたいと思う。
とにかくこの作品はお勧めである。
自分の人生の悩みのない人はいない。
また幼少期のトラウマが成人して以降も治癒していない人もいるだろう。
この映画は死ぬほど辛い経験を背負いながらも、
現実と向き合って生きる希望を見出す一つの参考例にはなると思う。
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