抽象絵画のお勉強

トラネコ

2008年08月30日 05:00

抽象絵画と聞くと、「一体何を描いているのか」、「何が言いたいのかわからない。」、
という人が多いのではないだろうか。

確かにそうである。
抽象絵画というくらいだから、これとわかる具体的な形のものは一切描かれていない
だから表現されているものがなんだか見当もつかないのだ。

私が抽象絵画の見方をご案内しよう。
まず絵画は写真ではないことを念頭に入れていただきたい。だから描く対象(モチーフ)を忠実に再現する必要はなく、
自分の感じたまま描けばよいのだ。
例えば赤いバナナがあってもいいし、象が空を飛んでいてもいいのだ。







次に目に見えない世界も私達は感じることができる。
例えば、感情の世界、喜怒哀楽は形はないがいつでも感じることができる。
喜びやウキウキ感、憂鬱や寂しさ、怒りや悔しさ・・・・・・・などだ。


これらを絵で表現したらどうだろうか。
もちろん具体的に、人物が笑っている顔を描いて「喜び」を表現できるが、感情そのものに焦点を当てて色と形のみで抽象表現したほうが、ある意味よりインパクトの強さを見る人に与えることもできる。具体性が無いが故に色と形のみの表現はより直接的に我々の感性に訴えかけてくるのだ。



あなたは夕焼けに照り映える西の空を彩る、雲海に心を奪われた経験があるだろう。
あるいは南方の花や蝶の不思議な模様に興味を感じたりもするだろう。
それらになにか具体的なものを感じて感動しただろうか。



私達は具体的な意味も心の情景もなく、
単純に色と形のみが美しいとか、面白いという世界もあることを知っている。

それを描いた絵画が抽象画でもあるのだ。


さらにもっと私達が日常普通に抽象画を感じる場面がある。
例えば、服やカーテンなどを買うときのことを考えてみよう。父の日にネクタイをプレゼントに選びに行くときのことでも良い。

服やカーテンの色や模様や柄をいろいろみてまわり、最終的に気に入ったものを選び購入するという経験は誰しも持っているだろう。

そのときにその商品の色と形以外に、一体このカーテンの柄は何を表現しているのだろうかと、悩む人はまずいない

好きか嫌いかだけである


抽象画も同じように、作品から意味を探す必要は無い。
気に入ったかどうかだけで鑑賞してなんら問題ない。
素直にあなたの感性に訴えかけられた作品の声を聞けば良い。
なにも感じなければそれでもいいのだ。
あなたにも感じる絵とそうでない絵があって当然なのだ。
具象絵画でも好きか好きでないか、そんなものだろう。
小難しい解説や意味づけなどは評論家や学者に任せておけばよいのだ。

抽象画と言ってもたかが、ではないか。

ファッションやインテリアを楽しむように、
もっと気楽に絵画を楽しんでみてはいかがだろう。


たまの休みに家族で美術館へ揃って出かけてみよう!

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