オウム犯罪解決に寄与した「幸福の科学」、しかし・・・

トラネコ

2018年07月13日 00:00

松本死刑囚、刑執行 オウムを止めたのは幸福の科学だった
地下鉄サリン事件など計13の事件で27人を死なせた罪により、オウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚の死刑が6日、執行された。他に6人の元幹部の死刑も執行された。戦後最大級の無差別殺人事件に、一つの区切りがついた形となる。

あの一件以来、「宗教は全て怖い」という印象が広がった。しかし、彼らの凶行を率先して止めたのもまた宗教であったことは、あまり報じられていない。通報・デモで捜査を後押しした幸福の科学オウム事件の解決には、幸福の科学が大きく関わっている。

1995年に起きた地下鉄サリン事件の約1カ月前のこと。目黒公証人役場事務長の仮谷清志さんが拉致監禁され、殺害される事件が起きた。オウム真理教に入信していた仮谷さんの妹が、目黒公証人役場の土地・建物を教団に布施するよう強要されたため、妹が教団から逃げ出し、仮谷さんが匿っていた。そこでオウム側は、東京都品川区の公証人役場から出てきた仮谷さんをワゴン車に押し込み、山梨県上九一色村(当時)の教団施設に連れ去ったうえ、麻酔薬を過剰に投与して死亡させた。


この事件の平田容疑者らによる犯行を偶然に目撃した第一通報者が、実は幸福の科学の職員だった。通報後、警視庁はオウム真理教による犯罪として捜査を開始。しかしオウムは、シラを切り通した。警察側も「信教の自由の侵害」という批判を恐れて、やや腰が引けていた面があった。

それに対して幸福の科学信者たちは全国で「オウムよ、仮谷さんを解放せよ!」とビラをまき、デモを展開。麻原の逮捕とオウム教への強制捜査を訴えた。その後3月20日に「地下鉄サリン事件」が起こり、警視庁が重い腰を上げて強制捜査を行った。

事前にこうした通報や捜査への後押しがなければ、強制捜査は遅れ、東京上空から大量のサリンを撒くというオウムの国家転覆計画が実行されていた可能性もある。

警視庁は捜査が一段落した同年9月、拉致事件を目撃し通報した幸福の科学に対し、「一連の事件の捜査に対し心温まる激励をされ、全容解明に多大な貢献をされました」「ここに感謝の意を表します」と感謝状を贈っている。

オウムは世界標準では宗教と言えない
宗教というのは本来、犯罪行為を抑止するものだ。仏教にも聖書にも「殺すなかれ」「盗むなかれ」「騙すなかれ」といった戒律がある。仮にそうした犯罪が他人に見つからずとも、神仏が見ていると考える。逆に、無神論を標榜する国家は、容易に人権弾圧を行う。

「宗教の判別は難しい」という声は多い。あれだけの事件が起きれば、疑心暗鬼になるのも仕方がない面もあるかもしれない。しかし、オウムは世界宗教にある基本的な戒律を全て破っている。とうてい宗教とは言えない。こうした最低限の宗教的教養が、社会に有益な宗教を排除せず、同時に有害な宗教を遠ざける助けになるはずだ。

【関連記事】
2015年3月19日付本欄 オウムの地下鉄サリン事件から20年 邪教から日本を守った宗教とは【ザ・ファクト公開中】
https://the-liberty.com/article.php?item_id=9344
the Liberty web. 2018.07.06
https://the-liberty.com/article.php?item_id=14635



            幸福の科学の教祖様ご一家



幸福の科学はかつてGLA(God Light Asociation)という宗教団体の分派である。
GLAの教祖は高橋信次という電子製品メーカーの社長であった。
純粋に理系の人物だが、仏教・キリスト教に精通し超能力を披露したという。
高橋は科学と宗教上の奇跡を合理的に説いた教祖でも知られている。

高橋の没後、宗教団体お決まりの弟子たちの後継者への権力闘争があり、
結果的には高橋の娘・高橋圭子が教祖の後を継いだが信者は激減した。
脱会した弟子には独立して自分の宗教団体を立ち上げた者もいる。

その一つが大川隆法総裁の幸福の科学である。
余談だが2003年に白装束で世間を騒がせたパナウェーブ研究所は、
千乃裕子を教祖(主催)とする宗教団体もGLAの亜流である。



            幸福の科学東京正心館


私は実はこの当時、仏教に関心を持っていろいろな文献を読み漁っていた。
そこで出会ったのが高橋信次の「原説・般若心経」という本であった。
ある意味非常に斬新な般若心経を解説した本で興味をひかれた。

高橋はこれまでの宗教団体の弊害を熟知しており、それを批判・除去する
活動も積極的に行っており、宗教が団体化することを戒めていた。
その点も私は共鳴したが、しかし高橋が教団を持っている矛盾も感じていた。

私はこの当時から宗教団体には一種の欺瞞性を感じていたので、
教祖の著書を読んだり講演会には行ったが、教団とは必ず距離を取っていた。
この態度は今でも正しかったと確信している。



              GLA教祖の高橋信次


さて・・・

幸福の科学は幸福実現党という政治団体を結成し選挙に臨んでいる。
これは同じ宗教団体の創価学会=公明党とまったく同じ形態である。
ただ主張は保守主義で共感できる点は多いのも事実だ。

近年のシナの軍拡や侵略に批判したり、沖縄の反戦平和運動の欺瞞性を暴露したり、
常に国益第一主義を掲げ、政治や社会への分析・評価もほぼ正しいと思えるし、
その主張は我々保守系国民とほぼ一致しており、愛国運動ともいえる。



        幸福実現党の政治主張はほぼ正しいと思うが・・・


しかしながら・・・

幸福実現党は大川隆法を神格化する幸福の科学の傘下にあり、
創価学会=公明党と同じく、天皇よりも教祖を上位におくスタンスが明確である。
つまり幸福の科学=幸福実現党はカルト宗教共通の個人崇拝宗教なのである。

そして何よりも幸福実現党の公約に「宗教立国を目指す」とある。
この時点で政教分離原則は否定しているし、信教の自由も否定されるだろう。
私はこの公約だけでも幸福実現党は危険政党だと断言する!

恐らく幸福実現党が政権をとれば大川総裁が日本の元首になるであろう。
いくら幸福実現党の主張が保守主義で愛国的で共感があったとしても、
天皇・皇室を教祖より下位に位置付ける思想は危険思想である。

つまり幸福実現党が目指す日本は皇室を否定し大川総裁を元首に据える
いいかえれば、幸福実現党が支配する日本を目指していると私は考えるのだ。
この点においては創価学会=公明党とまったく同じ発想である。
創価学会だけではない、あのオウム真理教もそう考えて選挙に出たのだ。



            「我はエル・カンターレなるぞ!」
           「我こそが日本国の元首、法王なるぞ!」






幸いにも、現段階で幸福実現党が国会議員に当選することはない。
しかしいくつかの地方議会には幸福実現党議員が存在するが、
現状の市町村レベルであればさほど危険性はないだろう。

信者数が1100万もいて当選しないのも不思議であるが、
もっともこの信者数もどこまで本当か疑問ではあるが、
創価学会みたいな住民票移籍等をしていないせいかもしれない。

幸福実現党の目指す宗教国家、総裁の元首など言語道断である。
良識ある国民にはこの党が宗教団体の下部組織であることを理解している。
まあこの団体が創価学会ほど巨大化し政治に入り込んでいないことも幸いである。


宗教が政治に関わると、
絶対にロクなことがない、
これは歴史の教訓である!










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