私はラテンアメリカと呼ばれる中南米諸国が好きで、初めて行った外国がメキシコだったし、
海外ボランティアで暮らした国もグゥアテマラ、コスタリカだった。
中南米は10カ国ほど旅行でも行ったことがある。
さて中南米諸国を歩いてみて感じることの一つに、
ラテンアメリカ人の「アメリカ嫌い」というのがある。
それは次の言葉に象徴される。
ラティーノ達はアメリカ人のことを通称・
グリンゴという。
これはスペイン語ではValla Verde(ヴァジャ・ヴェルデ)、
即ち英語の
Green Go Home!(出て行け、米軍!)の意味である。
これを短縮したものが
グリンゴである。
グリーンとはかつてのアメリカ軍の制服の色で米軍の象徴である。
いかにアメリカの「力の政治」介入が強いかがわかる。
日本でも
ヤンキー・ゴー・ホームという反戦運動に使われたフレーズと同じである。
一般的呼称としてのアメリカ人は、
北アメリカ人(Norte Americano)、
あるいは、
合衆国人(Estados Unidense)という。
ただ最近では
グリンゴという蔑称が
一般名詞としてのアメリカ人を指す言葉になってきているようにも思う。アメリカ人自身が自分をグリンゴだといって、自己紹介するのを何度も見ているし、米国産商品の名称にも用いられているからだ。
確か
ヤンキーという言葉も南北戦争の時に南軍の兵士が、
北軍兵士に対する蔑称として使っていた言葉ではなかったか。
でもヤンキーはいまでは普通名詞になっている。
ちょうど第二次大戦時に日本軍を
ジャップと呼んだのと同じだ。
ジャップはジャパンの短縮形で特に意味はない。
Nipponの短縮形(nip;こそ泥)でなくてよかった。
中南米は
アメリカ合衆国の「裏庭」と称される。
それは建国以来の
モンロー・ドクトリン(南北アメリカは米国が責任を持って支配するという「原則」)による、ラテンアメリカに対する準植民地政策と言ってよいくらい強固なものであった。現在アメリカの影響力はかつてほどはない。
かつてはチリのアジェンデ政権をCIAの工作と経済制裁で崩壊させたアメリカだが、
現在のラテンアメリカ諸国の9割までが反米左派政権である。
しかしそれでもアメリカの影響力は無視できないものはあるようだ。
それはさておき、私がラテンアメリカをいろいろ旅していると、
アメリカ人以外にも
嫌われ者がいることに気がつく。それは
中国人である。
ラテンアメリカ諸国では
一般にアジア系はすべて中国人(Chino/a)と呼ばれる。
これは我々日本人が白人の外国人をアメリカ人とついつい認識してしまうのと同じだ。
まあ我々が白人の顔立ちがあまり区別できないように、
向こうの人びとがアジア系の顔立ちを一くくりに見てしまうことはやむをえないだろう。
しかしラティーノが中国人(チーノ女性に対してはチーナ)と呼ぶときそれには、
何がしかの軽蔑の意味が込められていることが多いことに気がついた。
チーノは正式なスペイン語で中国人であり、グリンゴのような蔑称ではない。
にも関わらず中南米でしばしば私自身に投げかけられたチーノは、
あきらかに侮蔑の念を感じたのだ。顕著な例はコスタリカで道を歩いていると、
高校生が私を見て「チーノ!」と叫ぶや唾を地面に吐きつけたのである。
同じような経験をした日本人は多くいる。
ここまでされるとチーノ(中国人)には相当な侮蔑が込められていることがわかる。
中国人という言葉自体が差別語なのである。
単純な人種差別なのか、そうならなぜ中国人を差別するのか・・・。
しばしその理由がわからなかったが、ボリビアの日本人から聞いた話で理解できた。
それは中国人のたくましい商業活動と成功を収めセレブになった彼らに対する、
刹那的で陽気なラティーノたちの嫉妬もからんでいるのだが、
中国人は儲けた金を
華僑銀行にすべて貯金し、
そこからまた借り入れなどをしているという。
だから
地元の銀行は一切利用しないのだそうだ。
つまりラティーノからいわせるとチーノは地元で稼ぐだけ稼いで、
金を地元には落とさず、ひたすら金を吸い上げるだけであるということらしい。
だから嫌われているというのだ。
まあ経済は血流と同じく社会を循環しているわけで、
ボリビアならボリビアの社会にお金を循環させて欲しいと思うのも肯ける。
それと中国人は
自分達だけの閉鎖的コミュニティーを形成し、
地元の人間と溶け込もうとはしないそうだ。
世界中に
華僑社会が存在するが、確かに華僑の結束は強くまた、
彼ら独自の
秘密結社的コミュニティーを形成しているのは事実だ。
そういえば日本でも華僑は多いが、日本人と表面的にも商売的にも付き合いはするが、
彼ら独自のコミュニティーを持っているのも事実だ。私はこのあたりのことはよくわからない。
この前
池袋に中華街を設立する話が出たときも、
池袋の商工会議所にはまったく話が通されていなかったという。
また既に地元に商売を展開している中国人の店は、
街灯の電気代やゴミ処理の共益費もまったく払おうとしなかった。
なるほど日本でも同じ現象である。
その点、
日本人移民は地元の銀行を普通に利用しており、地元の商工会議所に所属し、
地元の人間とも協調して仲良く溶け込む努力をしているという。
特に移民の多い南米のボリヴィア、ペルーでは感覚的にもその実感があった。
実際日本人移民や旅行者は中南米では、好感を持たれていることは事実だと思う。
私もマチュ・ピチュの遺跡に行く列車の中では、リマの高校の修学旅行生に取り囲まれ、
芸能人並みの扱いを受けたことがあった。ちょうどフジモリ大統領の頃ではあったが。
さらに中国人は
犯罪組織を形成することも嫌われる原因になっている。
中国人はその結束の強さと協力体制で組織犯罪を犯す傾向が強い。
日本でも外国人犯罪のトップは中国人と韓国人である。
近年はブラジル、アルゼンチン、イランも増加しているが・・・。
ちなみに移民の犯罪組織に関してアメリカの話だが、
アメリカの連
邦捜査局FBIには
各民族出身の捜査官がチーム配置されているそうだ。
これは犯罪組織が民族、国別に存在するアメリカの事情によるものである。
例えば
巨大シンジケートのイタリア系、中国系、コロンビア系などには、
それぞれの言語を話し、生活習慣や宗教を熟知している捜査官が、
各部署ごとに捜査チームとなって配備されているという。
しかし日系人の捜査官はもちろんいるが、チームでは存在しないという。
なぜなら
日本人系のマフィアはアメリカには存在しないからだ。
しばしば麻薬や武器関係でヤクザがアメリカにくる以外は、
日系人の組織犯罪は皆無だという。
日本人はどこの国へ移民しても、個人的には犯罪もあるだろうが、
犯罪組織を構成組織することはまったくないのだ。
これも日本人が信用される原因の一つだろう。
中国人と良く似ているのが
韓国人社会である。
韓国人も地域によって犯罪組織を構成する。
韓国人は移住した国の地元民すべてを見下し、トラブルを起す。
とにかく
地球上で一番エライのが韓国人だという思い上がりがある。
近年韓国人の海外移住熱は非情に活発でアメリカ、カナダは当然ながら、
ラテンアメリカにも多くの移住者が進出して問題を起している。
日本にも
ニューカマーと呼ばれる連中が移住目的でやってくる。
だから相変わらず在日半島人は減少しない。
韓国人の場合は中国人よりもっと
閉鎖的で、なおかつ現地人を見下す
傲慢さがあり、
韓国人はほぼ世界中で嫌われている。
しかも民間レベルの話ではなく、政府が公式に韓国人移民、一時滞在者へ非難声明を発していることも珍しくない。
2003年11月12日
メキシコ国会でメキシコ野党院内総務ホルヘ・カハワギ議員は、
「メキシコ在住
韓国人は犯罪構成要員」と規定する法案を提出するまでに至っている。
またメキシコ政府も「
韓国人はメキシコ人ともっとも共存できない移民だ。」
と公式発表している。(朝鮮日報)
現地で韓国人をコレアーノと呼ぶが、私のいたころはまだ韓国人移住者がさほど多くなく、
トラブルも聞いたことがないので、最近かれらがどのように呼ばれているのかは知らない。
明日へ続く