肌の色がなぜこれほど差別問題の要点なのか?

トラネコ

2021年04月24日 00:00

名門大の「白人逆差別」訴訟中止 トランプ政権から方針転換―米政府
【ワシントン時事】米名門エール大による入学者選抜での黒人優遇が、白人やアジア系への逆差別に当たるとトランプ前政権が訴えていた裁判で、米司法省は3日、訴えを取り下げた。人種問題への取り組みで、前政権からの方針転換を進めるバイデン政権の姿勢を示した。

米国の多くの大学は、人種的・民族的な多様性を確保するための「アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)」として、入学者選抜で黒人やヒスパニックを優遇している。白人保守派にはこの措置への反発が強い。トランプ前政権は昨年10月、優遇が「アジア系や白人への不当な差別に当たり、公民権法に違反する」として、エール大の所在地である東部コネティカット州の連邦地裁に提訴していた。

エール大入試は「アジア系差別」 米司法省、黒人優遇に警告

米国ではハーバード大でも、入学者選抜での黒人やヒスパニック優遇が「アジア系差別だ」として学生団体が訴訟を起こしたが、連邦高裁は昨年11月、訴えを退ける決定を下した。エール大をめぐる訴訟取り下げについて、司法省の報道担当官は米メディアに「ハーバード大の優遇措置に関する高裁決定などを踏まえた判断だ」と説明している。
時事ドットコム 2021年02月04日

<関連記事>
アメリカ白人は「生まれる前から」レイシストであり、
死ぬまでレイシズムの原罪から逃れることはできない

【橘玲の日々刻々】 2020年9月10日
https://diamond.jp/articles/-/248160?page=3



      アファーマティブアクションなど所詮は屁理屈の類に過ぎない
      特定の人種に配慮すれば、別の人種に不利益が生じるのは、
      人間社会の定理であり、ほとんど無意味な思想である。



まず私は人種や社会的属性による差別意識は皆無とはいわないが、
極めて希薄な人間であることを前提として、アファーマティブ・アクションや、
ポリティカル・コレクトネスという概念には批判的な立場にある
事をお断りしておく。

そこで、これまでも何度もアメリカの人種差別のエントリをあげてきたが、
今回は人種=肌の色という別の視点から差人種差別を考察してみたい。
もちろんこれはあくまで私の個人的視点、価値観による独断的なモノである。

<参考エントリ>
人種差別はアメリカの国是である!
https://ryotaroneko.ti-da.net/e11860175.html

アファーマティブアクションは人種配分主義である!
https://ryotaroneko.ti-da.net/e10585567.html

アメリカの根強い人種差別
https://ryotaroneko.ti-da.net/e3755636.html







人種による肌の色の違いは・・・

単純にその人種の生活してきた気候的環境の結果である。
人類発祥地とされるアフリカ中央部は熱帯に属し、紫外線が強いため、
それから肌を守るためにメラニン色素が濃厚になった結果黒人になった。

反対に白人はユーラシア大陸中北部の太陽光線(紫外線)の少ない、
冷涼な環境に適応したからメラニン色素が少なく肌が白くなっている。
北部大陸系のアジア系も氷河期の寒冷地適応で肌の色が白い。

   肌の色・身体な違いも単純に環境による、
   進化論的な適者生存の結果に過ぎない。




        今では黒人による白人、アジア系差別も起きている。
        結局差別する側もされる側も差別を肯定した社会だ。



それに優劣の価値観を持ち込んだのがキリスト教白人世界である。
彼らが欧州以外のアメリカ、アフリカ・・・などを侵略し支配した結果、
被征服民族が有色人種=劣等人種という概念が出来たのではないか?

だから彼らの信仰するイエス・キリストも白人として表現するのだ。
しかしキリストはセム系の褐色人種だという研究が出ているから、
決して白人ではない。しかしアフリカ系が信仰するなら黒人だっただろう。

その欧州系白人が500年に渡って世界を支配してきた結果、
明確な白人の偏見による人種差別概念が確立されたといえるだろう。
ちなみに人種差別、性差別、環境破壊などはすべてキリスト教社会が原因である。

恐らくだが、学術調査や研究結果を基本にしているわけではないが、
有色人種の社会には社会的、個人的な利害損得を理由にした以外に、
単純に肌に色による社会的差別概念そのものはなかったのではないか?




           左・白人の妄想願望したキリスト像
           右・科学的解析で再現したキリスト像



かなり昔の話だが・・・

私がモルモン教の聖書である「モルモン経」について面白い話を宣教師から聞いた。

何でも中東の土地から二つの部族が南米大陸に向けて移住し定住した。
神の教えを忠実に守るニーファイ人、神に背くレーマン人とが対立しあった。
両者は白人で長い対立の末、レーマン人はニーファイ人を滅ぼしてしまった。

神は怒ってレーマン人の肌を黒くしてニーファイ人と区別するようになった。
これがアメリカ先住民の先祖になったというのである。つまり神が罰として
肌の色を黒く(濃く)した
のがネイティブ・アメリカンである。

つまり・・・

神の御心にかなったニーファイ人は善なる白人で、
有色人種は原罪をもった悪なる人種となるのである。


もっともモルモン教はキリスト教の中でも邪教扱いされており、
その先史観も考古学的にほとんど立証されないトンデモ説である。
ただキリスト教の亜流でも白人至上主義思想が垣間見れるのである。





ただし・・・

日本にも「色白は七難を隠す」という諺があるが、
色白の女性は他に欠点があっても美人認定されるという意味らしい。
だから人種差別の極めて少ない日本ですら肌の色に優劣の価値観がある。

そのせいか、化粧品メーカーの美白製品も最近急に問題化している。
では何故白い肌が美人とか、優越的な感覚を持っているのだろうか?
一つには肌の色合いが社会的属性、特に職業に関係するという見方がある。

つまり黒い肌の人は、屋外で働く日焼けした肉体労働者のイメージが強くある半面、
労働しない貴族や室内で働く知的労働者は、肌が白いというイメージの様である。
だから白い肌=上流階級、黒い肌=下層階級という区別が自然にできたとか・・・

また見た目の清潔感や清涼感みたいなものが色白には或るのかもしれない。
白は黒よりも純粋とか穢れないというイメージが「美しい」という印象になり、
色黒の肌よりも「優れている」という連想に繋がるのかもしれない。





しかしだからと言って、日本では色黒の人が社会的に差別を受けてきた、
という肌色差別の歴史も社会問題もないし、年代にもよるが黒人系への差別も、
欧米や朝鮮半島ほど聞いたことはない
し、一般的にそれへの差別意識も希薄だと思う。

日本では色白、色黒は単純に身体的特徴への優劣意識、例えば、
外見的特徴のチビ、デブ、ハゲ程度の個人的差異でしかない。

これらの人が就職や進学や資格取得・・・などで差別を受けた話はない。

逆に近年では日焼けした肌が健康的という理由なのかしらないが、
わざわざ肌を黒くする日焼けサロンなんてのも人気があるらしいし、
ボディビルダーも意識的に日焼けしているしね、

化粧品会社の宣伝のせいで女性も美白に神経質になる傾向はあるにせよ、
日本では、色白、色黒が社会問題になったり差別の対象になることはない。
まあ肌の色なんてのも一種の流行に過ぎないのかもしれない。

ただし、日本は単一性の強い国民のため、肌の色による人種的区別、
白人とか黒人という見た目の人種的区分けを「差別」というのではなく、
普通の感覚でしている傾向はあると思う
。ここは問題があるかもしれない。



         日焼けサロンで肌を黒くするおねーちゃん


まあ恋愛や結婚に関しては、多少なりとも個人的な好みはあるが、
それとても人種差別という範疇では決してないのは周知の通りだ。
ただし個人的な嗜好までも差別の範疇で誹謗する傾向はある。

たとえばアメリカでも問題化してきた人種問題の亜流ともいえるのが、
キャンセル・カルチュアというものだ。これは一見差別反対運動に見えるが、
実は魔女狩り、言葉狩り、バカ恨島の旭日旗狩りのようなものである。

自分達の主張や思想にそぐわない者、反対する者、批判する者を
言論という手段でフルボッコに叩き、排除する動き
と捉えることができる。
いわば共産主義国家でおこなわれてきた人民裁判の変種みたいなものだ。

日本でも売国マスゴミやバカ左翼政党、人権・平和団体の言動に見られる、
批判者・反対者を駆逐する言論ファシズムとまったく同じ運動である。
この手の連中がいう言論・表現の自由は大嘘である事がわかる。

<参考>
キャンセルカルチャーとは・意味
https://ideasforgood.jp/glossary/cancel-culture/

コールアウト・カルチャー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC







さらにアメリカも日本のような自虐史観運動みたいなものがある。
「1619プロジェクト」というのがある。
これは左翼紙NYタイムズが始めた歴史修正主義的運動だ。

アメリカの建国年がG.ワシントンの独立戦争勝利の1776年ではなく、
アフリカから黒人奴隷が最初に連行されてきた1619年こそが
建国記念日とすべきという運動で、学校の副読本にも採用されている。

その結果、BLM運動や歴代の大統領や将軍の銅像を引き倒す暴動や、
黒人差別と烙印をおされた言動や人物を、徹底的に攻撃し社会的に、
抹殺する為の現代の魔女狩り
が現実にアメリカでは行われているのである。

特に偏向メディアは、黒人の犯罪は殆どニュースとして扱わないが、
白人の犯罪はより「白人」を誇張した報道の仕方をしているという。
もはや黒人による白人差別の実態が明らかになっているようだ。


<参考記事>
あのニューヨーク・タイムズが突き進む歴史歪曲、記事改竄、批判封殺
現代ビジネス 2020.10.23
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76613?page=2
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76613?page=3
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76613?page=4
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76613?page=5





そういえば・・・

最近文具メーカーの絵の具やクレヨンから「肌色」という名称が消えたそうだ。
私も昔美術教師の頃、人物の肌にこの色を使うことを注意してきた経験があった。
絵の具の「肌色」のような人はほぼいないし、日焼け肌は茶系が近いからだ。

差別語の言葉狩りをしているサヨク連中と同類に思われるのは不快だが、
人種によっても肌の色が異なるのは当然だから「肌色」という名称は不適切だ。
「ペールオレンジ」とか「うすだいだい」に呼称が代わったのは良いと思う。

いつ頃から肌色という名称が消えたかというと2010年頃だそうだ。
日本も外国人移住者が多く入国したこともあっての配慮だったのだろう。
ジンケン屋が騒いだ結果でなく、こういう企業の自主的改定は良い事だと思う。

イタリアの企業が「肌色専門の色鉛筆」を販売しそれなりに売れているらしい。
世界中の様々な人種の肌の色をセットにした色鉛筆は教育に役立つと思う。
特に日本みたいな単一性の強い民族国家では異文化教育には良いと思う。



             人種の様々な肌の色ばかり12色を
             1セットにしたイタリア製の色鉛筆




さて文明人の基本的概念として・・・

  肌の色で人間の優劣を決める価値観は、
  偏見というより倫理道徳的犯罪と言えるだろう。
  人間の価値は白も黒も褐色も黄も関係ないのだ。


しかしこれは日本人にとっては常識だが・・・

こういったアメリカ社会の風潮は、結局は白人も黒人も、
皆肌の色で人を差別する人種差別主義者という事である。
人種や肌の色が人間の価値を決める文化的要素なのだ。


アメリカ人は民度が低いと言ってしまえば簡単なことだが、
文化という観点でみれば、そう単純なことではないのだ。

レイシズムは欧米の500年或いは2000年続いた文化(宗教)的価値観なのである。
我々日本人の文化的価値観で考えても理解できない価値観なのだ。
これが「文化」であり、異文化理解の実に難しいポイントなのである。



          私は人種差別にはもちろん反対だが、
          BLMには賛同しない。なぜならこれも
          非黒人系への差別主義運動だから!



例えば・・・

私はイスラム教徒の文化的習慣や価値観を「理解」はするが、
一日5回のお祈りや豚肉を食べないとか、人物画を禁じるとか・・・
ムスリム自身が自分の家やコミュニティで行う事は問題はないが、
彼らの文化を日本社会に受け入れ要請は断固お断りである。


だからEUで既に破綻した移民政策にもみられるように、
多文化共生社会というのは、理想であっても現実的ではないのだ。
同じ日本人でも価値観が大きく異なる人とは付き合えないのと同じだ。

そもそも、異文化地域に頼まれもしないのに勝手に移住してきて、
その地域の文化や習慣を拒否し、自らの文化や習慣を移住先に
要求する
こと自体がムスリムの自分勝手さと非常識なのである!



             移民国家フランス・パリの街角
             日本は絶対こうなって欲しくない。



話がずれたが、誤解を承知で述べると・・・

 肌の色の違いにおけるアメリカ社会の人種差別は、
 まだまだ続くし、武漢肺炎によるアジア系ヘイトも、
 単なるイジメでも理屈でもなくアメリカの精神風土だ。
 我々はこれがアメリカの建国以来続いてきた文化で、
 アメリカ人の国民性であることを理解すべきだと思う。










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