アイヌ人は日本人ではないのか?

トラネコ

2009年04月27日 00:00

世界先住民族ネット:アイヌへの謝罪を--政府懇に提言書 /北海道
アイヌなど先住民族の権利回復を図ろうと、「世界先住民族ネットワーク・AINU」(萱野志朗代表)が25日、正式に設立される。同ネットは21日、道庁で記者会見を開き、政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」への提言書を発表した。過去に土地を収奪されるなどしたアイヌへの謝罪を求めた。

提言書では、政府が国会など公的な場で謝罪をした上で、07年に国連で採択された「先住民族の権利宣言」に盛り込まれている先住民族の自己決定権や自然資源利用権など、アイヌが従来持っていた権利の回復などを求めている。
同ネットは、昨年7月に開催された「先住民族サミット アイヌモシリ2008」の実行委員会メンバーらが新たに設立する。25日午後6時から、札幌エルプラザ(札幌市北区北8西3)で「創立の集い」を開催する。
Web版毎日ニュース
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20090422ddlk01040288000c.html


先回ドミニカ移民の問題で政府の不誠実な態度を批判した。
しかし今回見つけた変態新聞社毎日の記事を読んで、

え~?????????っと思った。

突然降って沸いたような「季節はずれ」の謝罪と賠償、権利よこせ!」
というお決まりのスローガンで、訴訟や集会を活発に行う団体というのは、
おおよそ検討がつくような気がするではないか。


そもそも先住民を虐殺して土地を奪い国家を成立させた国は、
アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが代表的
だが、
元々ある地域に住んでいた異民族を追いやって国家成立させた国となると、
現在200近くある国家群の大半になるのではないだろうか?

例えばヨーロッパなどはローマ帝国拡大以前のガリア地方(現在の中部ヨーロッパ)は、
現在アイルランドに残るケルト人の居住地だったし、
その地域をユリウス・カエサルのローマ帝国に支配されたケルト人は、
後のフランク王国のフランク族ラテン人と混血し、現在のフランス人になった。
今のアイルランドに若干残っているとされる(これも諸説あるが)

また移動してきたゲルマン民族は、
30以上の部族社会に分かれて住み分けをしつつも離合集散してきた。
しかしゲルマン各部族はそれぞれが独立国をつくって、
近代は戦争も頻繁に行ってきた。
ゲルマン人といえばドイツ人(german)を思い出すが、
イギリス人もオランダ人もオーストリア人もベルギー人も、
み~~~~~~~~~~んなゲルマン民族
である。
この地域で先住民の権利だの謝罪だの言い出したらややこしくて大変だ。


また先住民という定義だが、確かにアイヌは東北・北海道に
古くから住んでいたのは事実だが、しかしいつごろからとなるとわからない。
日本列島には縄文人と呼ばれる「先住民」が少なくとも土器の年代測定から、
1万6千年以上前から定住していることは既に衆知の事実である。

また近年の遺伝子研究では日本人(本州、北海道アイヌ、沖縄県の3地域を比較)
の遺伝子は、ほぼ同じで、北アジアを起源に持つ
ことが明らかにされている。
根井正利ペンシルベニア州立大学教授「現代人の起源」に関するシンポジウム(1993京都)にて、日本人は約3万年前から北東アジアから渡来し、弥生時代以降の渡来人は現代日本人の遺伝子プールにはほんのわずかな影響しか与えていない、という研究結果を出している。(ウィキペディアより引用)

こうして諸研究の報告を見てみると、
アイヌ人とはまさにわれわれ現代日本人と同根であり、
決して血を異にする異民族でもなければ先住民でもない
と私は思う。


しかし異なる集団を形成していた「部族」という点では間違いないかも知れない。
先に述べたゲルマン民族のように日本民族の一部族とするなら、
「大和民族」のアイヌ部族という定義は成り立つかも知れない。

しかしアイヌ人は国家を形成しなかった
集落単位の小集団社会を形成して、江戸時代には松前藩に徐々に支配されたが、
その後ロシアの南下に対して幕府が北海道の支配力を増した
結果的には江戸時代後期には、領土としてのアイヌ部族の主権はほぼなくなった。
さらに明治維新政府による蝦夷地開拓で、完全に北海道は日本領土となり、
アイヌ部族は日本人に組み入れられることになった。

この過程は琉球王国を形成した沖縄人と同じである。
私は個人的には沖縄人は歴史過程は日本とは異なるものの、
純然たる日本人であると考えている。

歴史のIFがタブーを承知でいうが、沖縄が今でも独立を保っていれば、
ドイツとイギリスの関係みたいな外交は持てたかもしれない。

同じ民族でも違う歴史過程を長期間継続すれば、
異民族としてのアイデンティティは形成されるだろう。

ちょうどドイツとイギリスみたいなものである。
しかしながら、少なくとも一度日本に併合され、日本人として100年以上も、
日本領土の一地方として政治経済が成立してきた現在、
もはや琉球民族・部族など人種的にも民族的にも存在しないと考える。

しかし逆もまた真なりである。
まったくDNAの異なる民族、人種であっても、
片方の影響力の強い集団に吸収されたら、
吸収された側はその集団としてのアイデンティティーを形成するだろう。

これは移民の二世以降をみればわかり易い。


話を戻すがアイヌ人も同じである。
アイヌは和人(本州日本人)とは異なる文化、生活形態を維持してきたことは事実だが、
国家としての自治権をもたず、松前藩、江戸幕府、明治政府にj徐々に吸収されてきた。

もちろん明治政府の旧土人法などの差別的な扱いや待遇があったにせよ、
或いは今でも部族としてのアイデンティティーはあるとしても、
現在アイヌ部族としての生活実態はまったく存在しないだろう。
そして現在おそらく純血のアイヌ人は存在しないだろう。
いたとしても数名おられるかどうかだと思う。

アイヌ人の言語も民族的生活形態もほぼ完全に消滅している

そのような現実のなかで「先住民の権利を復活」して、
どれほどのアイヌの血を引く人々がそれに戻りたいと思うだろうか?
この宣言や運動体は決してアイヌ人の末裔の方々の本意ではないと私は考えている。

おそらくいつものように人権や弱者を前面に出して、
それで飯を食う卑しい左巻き
が必ず背後にいるものと確信している。
かつての「従軍」慰安婦の高木弁護士みたいな輩がいると思っている。

誰かが言っていた。

「人権、弱者はカネになる」そうだ。

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