ミャンマーのロヒンギャ問題を考える。

トラネコ

2017年09月15日 05:00

<国連総会>スーチー氏、国民向け演説 欠席の19日に
【バンコク西脇真一】国連の第72回総会が12日、ニューヨークの国連本部で開幕した。19~25日には各国首脳らが一般討論演説するが、ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問兼外相は欠席する。西部ラカイン州で少数派イスラム教徒「ロヒンギャ」の武装集団と治安部隊の戦闘が続く事態を受け、スーチー氏は19日、テレビ演説で「和解と平和」を呼びかけるという。

8月25日に戦闘が始まって以降、スーチー氏が国民向けに演説するのは初めて。
ロイター通信によると、報道官は演説のテーマを明言しなかったが、スーチー氏が「地域的な暴力の拡大防止」に優先的に取り組むと述べ、ロヒンギャ問題が念頭にあることを示唆した。国連討論演説が始まる日にぶつけることで、討論を避けたとの国際的な批判をかわす狙いもありそうだ。

スーチー氏は昨年、政府代表として初めて総会で演説したが、ミャンマー政府関係者は13日、取材に対しスーチー氏に代わりヘンリーバンティオ副大統領が出席すると答えた。

AP通信によると、政府は12日、政府諮問委員会(委員長、アナン元国連事務総長)が8月にロヒンギャの人権状況改善のため発表した勧告を履行するため、新委員会を発足させたと発表した。

また最近、ミャンマー中部で仏教徒の過激主義者がイスラム教徒との対立をあおる動きを見せており、スーチー氏も推移を注視しているとみられる。

与党・国民民主連盟のミョーヤンナンテン氏は「国は危機に直面している。スーチー氏は国内で緊急事態に備えるべきだ。彼女は危機を解決できる唯一の人物である」と語る。

ジャーナリストのサンユキョウ氏も「政権を取れば批判にさらされることを彼女は分かっており、(総会の欠席で)国際圧力を避けようと考えているとは思わない」と言う。

一方、ノーベル平和賞受賞者でもあるスーチー氏に欧米メディアは厳しい目を向けている。英BBCは国連での議論を避けたとの見方を示し「スーチー氏は心変わりしたのか」と批判した。

ゼイド国連人権高等弁務官は11日、ジュネーブで開かれた国連人権理事会で各国の人権状況について演説。ミャンマーについて「状況は民族浄化の典型例のようだ」と指摘し早急な対応を求めた。戦闘を受け、隣国バングラデシュへ逃れたロヒンギャが戻れないようにミャンマー当局が国境に地雷を敷設したとの報道にも言及した。
毎日新聞 9/13(水)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170913-00000081-mai-asia

<参考>
ミャンマー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BC



        インド・ニューデリーロヒンギャ迫害に抗議するデモ



          私は個人的にこのオバサンは嫌いだが、
          ロヒンギャ問題に関しては同情する点がある。



本日はロヒンギャ問題とは何かを考えて見たい。

最近国際問題化しているミャンマーのロヒンギャ問題であるが、
記事にもあるようにミャンマー政府による「民族浄化」の様相を呈している。
ノーベル平和賞受賞者のアウンサンスーチー国家顧問に国際非難が集まっている。

ロヒンギャ問題を単純にアウンサンスーチー氏の指導力のなさ、
或いは仏教徒の過激派への非難をする安っぽいジンケン屋の、
単純バカな視点でみてはいけない。問題はかなり複雑である。

私はロヒンギャにもミャンマー政府にも仏教徒にも与しない、
報道されている情報だけで主観で感じたままを述べていく。



        ミャンマーの位置も地政学的には不安定要素が多い。


まずは難民問題になっているロヒンギャとは何かを見ていきたい。
ロヒンギャ人は民族か宗教集団かが明確に定義されていないので、
現状ではロヒンギャ族ではなく、ロヒンギャとだけ呼称されている。

ロヒンギャとは東南アジア、南アジア、中東に分散居住するムスリム集団である。
イラクやトルコに居住し国家を持たないクルド人みたいな存在かも知れない。
総人口は約500万人余りとされているが実数は不明である。

ミャンマーでロヒンギャは国民としても認められず不法移民とされている。
そういう事情と仏教国におけるイスラム教徒という相容れない宗教概念が、
対立と弾圧を生んでいるのである。



          バングラデシュにあるロヒンギャ難民キャンプ


ミャンマーは6割のビルマ族を中心に非常に多くの少数民族が暮らし、
軍政府の公表でも135もの民族や部族の住む多民族国家であり、
様々な民族対立があり、政治的には安定していないのが現状である。

ちなみにミャンマーには他にもキリスト教徒もいてカレン族や、
ミャンマー北部のカチン州にはカチン独立軍がいて、いずれも、
ミャンマー政府との分離独立を求め政府と武装闘争をしている。



             カレン族(首長族)の娘さん
           結構可愛いが、ろくろ首仕様はなあ・・・



ただし2015年に政府と16の反政府武装勢力と停戦が成立した。
ミャンマー全体での反政府武装闘争は落ち着きつつあるようだが、
キリスト教勢力であるカチン独立軍とは和解に至っていない。

1988年のクーデターでミャンマー社会主義軍事政権が発足してから、
小数民族弾圧は激しくなっっていった
。社会主義政権はソ連でもシナでも、
どこの国でも民族差別&弾圧とセットである。

ミャンマー民主化の旗手であるスーチー氏はこれを解決したいのだが・・・

<参考記事>
ロヒンギャ漂流問題 ミャンマー少数民族の対立と迫害の歴史
The Page 2015.06.05
https://thepage.jp/detail/20150603-00000013-wordleaf



            カレン民族解放戦線の兵士たち
        バカチョンはこの徽章を見て火病らないのか(笑)?



さてロヒンギャ問題を歴史的経緯を見てみると実に複雑であるが、
超簡単にロヒンギャ問題の歴史を説明すれば以下の通りである。

19世紀からの民族・宗教問題がイギリスの植民地政策で利用され、
日本軍の侵攻でイギリスとの戦争に仏教徒とムスリム対立が利用され、
戦後の社会主義政権の少数民族弾圧政策により民族差別に発展していった。


基本的には宗教対立(イスラムvs仏教)に政治問題が加わった、
誤解を恐れず極論すれば宗教的民族問題だと私個人は思う。
結構面倒臭いので、詳しく知りたい方は下に貼った資料をご精読したい。
  ↓
<参考>
ロヒンギャ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%92%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%A3



            ロヒンギャを乗せた難民船


アウンサンスーチー国家顧問兼外相は21012年にこれを問題視し、
民族差別的なロヒンギャへの弾圧政策を禁止する声明を出したのだが、
これが国民的反発を招き支持者からそっぽ向かれる結果になった。

ロヒンギャ問題を平和裏に解決したいと主張すれば、
国内から猛反発を受け、世界からは批判を受けるスーチ―氏は
非常に苦しい立場にあると言えるのである。






ミャンマー中部で仏教徒の過激主義者がイスラム教徒との対立を
 あおる動きを見せており、スーチー氏も推移を注視しているとみられる。

宗教が絡むと面倒になる・・・
イスラム教徒のロヒンギャは政府からの弾圧だけでなく、
ミャンマーの多数派である仏教徒からも攻撃を受けているのだ。

一般に仏教徒は温厚で一神教みたいな過激派はいないとされるが、
ミャンマーにおいては969運動という仏教過激派がロヒンギャ排斥を行っている。
しかしこの969運動の発祥をみると、ムスリム過激派の蛮行がきっかけである。

さらにムスリムによる仏教徒女性への集団強姦・殺傷事件も発生しており、
仏教徒を過激派に走らせた原因はイスラム教徒であるともいえると私は思う。
しかしこれが報復の連鎖を呼び、政府軍も出動する民族排斥問題に発展している。

だから・・・

アウンサンスーチー氏が沈黙してきたのも上記の理由以外にも一理ありといえる。
しかし、ここまで難民が大量国外脱出する事態になれば国際社会は無視しない。
シリア内戦同様、民族問題でもあり、現象的にはジェノサイドとみなされるだろう。



       TIME誌の表紙にもなった仏教過激派指導者ウィラトゥ師
       殺生を禁じる温厚な仏教徒を過激派にしたのには原因がある




        ロヒンギャを助ける国境なき医師団に抗議する仏教徒
        ミャンマー政府もMSF(医師団)の活動停止命令を出している。
        官民一体でロヒンギャ排斥するのは相当な理由があるはずだ。




閑話休題


ミャンマーのロヒンギャ問題を大雑把だが概観して思ったことは、
中東問題もEU移民問題も常にイスラム教が背景にある事、
イスラム教過激派が実に多く発生してテロを起こしているという事である。

ミャンマーにはキリスト教の武装組織もいるが、仏教徒と対立していない。
世界で宗教対立しているのは常にイスラム教徒である事実を考えるべきである。
なぜロヒンギャだけがっ政府からも仏教徒からも弾圧されるのだろうか?

私はイスラム教という宗教が過激派を生み出す土壌だと考えている。
その狭量で排他的な教条主義的宗教思想が、
タリバンISなど原理主義者を生みテロを実行させていると考えている。

実際にタリバンやISは過去も現在も、異教徒の遺跡や寺院を破壊し、
絶対に自分達以外の宗教を認めようとしない
。こういう狭量な原理主義が
宗教や民族間の対立を生んで政治に絡んで紛争の原因になっている。

これはミャンマーに限らず、インド、スリランカ、バングラデシュ・・・などでも、
ムスリム過激派と仏教徒、ヒンドゥー教徒、キリスト教徒とがテロを繰り返し、
宗教対立を起こしていることからも、ムスリムの教義に問題ありと考える。



      タリバンによって破壊される世界遺産バーミヤンの仏教遺跡
      この事件が仏教過激派969運動を誕生させたといわれている。




        中東2000年の歴史を破壊するISISの蛮行 
        Newsweek日本語版 2015年9月2日(水)
   http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/09/2000isis.php
             


イスラム教徒の関係する宗教対立やテロは世界中に広がっている。
そろそろイスラム教の指導者はその頑迷で排他的な宗教思想を、
現代という時代に相応できるよう改める時期に来ているのではないだろうか。

イスラエル問題が起きて以来、世界ではイスラム過激派が跋扈し、
世界各地でテロを起こしている現状からも、イスラム教徒の日本移住は、
政府による厳格な審査基準を設けるべきであると個人的には考える。

こういうとまたジンケン屋どもが宗教差別だの民族差別だの抜かすだろう。
もちろん多くのイスラム教徒は温厚で平和的な人々なのだろうとは思う。
しかしこんな危険思想を生み出す精神風土のある宗教は危険視されて当然だ。



         イスラム原理主義は同胞でも平気で殺す


日本では未だムスリムのテロは発生してはいないが、
今後もしイスラム系移民が増加すればどうなるかわからない。
現実にEUでは各国でイスラム教徒のテロが頻発しているし・・・

誰でも少数派で弱い立場だとおとなしいが、多数になると本性を出す。
在日半島人移民のように野蛮な移民の蛮行は二度と御免被りたい。
イスラム教のような頑迷な教条主義を持つ宗教集団が増えない事を祈る。

日本を愛し、日本の文化や歴史を尊重するムスリムは歓迎したいが・・・

 日本はイスラム教徒にとっては、
 暮らしにくい嫌な国になるべきだ!










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