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トラネコの仕事 in Guatemala Part2

2021年09月30日

自民党総裁選もおわり河野太郎内閣という最悪事態も回避できたし、
ここで硬い政治の話は置いて、私の活動報告をしたいと思います。
また何かご感想でもありましたらコメントくださいませ。

グアテマラでの壁画制作の二作目が無事9月16日に完成しました。
今回は前作よりも3割ほど小さい(3.2×2.5m)ので11日で完成できました。
この作品もこれまでの壁画関連の仕事の中では一番小さい部類に属します。

今回はグアテマラと日本の友好をテーマに、というお題ですが、
心情的には光と生命のダイナミズムみたいなイメージを表現しました。
武漢肺炎パンデミック暗い雰囲気を吹き飛ばしたい気持ちがありました。

構図の中心に置いたのは「生命の木」です。
生命の木はキリスト教はもちろん、世界中の神話に登場するもので、
起源はシュメール神話の中にあるそうで「再生」を意味するらしいです。

「生命の木」はマヤ文明世界においては「世界樹」と呼ばれており、
マヤの世界観の象徴になっていますが、私は生命の木と同じものと考えます。
これも世界中の神話や宗教に象徴的に描かれている御神木みたいな木
映画「アバター」に登場するエイワの木もこれにヒントを得ているようです。

左右の二羽の鳥はケツァールでそれぞれの国の国鳥です。
御馴染みの花吹雪は日本のと中南米の並木によく見られる、
春に満開になる薄紫色のジャカランダの花を描いています。


トラネコの仕事 in Guatemala Part2

                      セイバの木
              マヤ、アステカ文明ではセイバの木が
              世界樹又は生命の木に比定されている。



では制作のプロセスの提示していきます。


トラネコの仕事 in Guatemala Part2

                    アイデアスケッチの構図   


トラネコの仕事 in Guatemala Part2

           マヤ神話に出てくる「世界樹」を中央に置きました。
           シンメトリーの構図にして安定感を優先しました。



トラネコの仕事 in Guatemala Part2

             木の周囲に明かり、下部に木立を入れました。
             日本とグアテマラは森と山に覆われた国です。




トラネコの仕事 in Guatemala Part2

              定番になりました花吹雪を入れました(笑)
              桜とジャカランダの花吹雪で流動感を出し、
              木漏れ日を何層にも重ね光を強調しました。




トラネコの仕事 in Guatemala Part2

                 完成です。11日かかりました。
           雉とケツァール、それぞれの国の国鳥を入れました。




トラネコの仕事 in Guatemala Part2

                   違う角度から見た壁画
            花吹雪と空気の流れが画面に動き出してみました。



トラネコの仕事 in Guatemala Part2

              一作目の壁画も見える位置からの全景
             結構広いサロンであるのがおわかりでしょうか。
             今は閉鎖中ですがオープンすれば賑わいます。



トラネコの仕事 in Guatemala Part2

              アンティグア市長から感謝状を頂きました。


ということで・・・

光と自然界の生命の動きみたいなものをメインに表現してみました。
二羽の国鳥を配したことで日本・グアテマラの友好も出せたと思います。
またいつかラテン・アメリカのどこかでこんな仕事が出来ればと思います。

日本でもこんな仕事してみたいですね・・・


トラネコの仕事 in Guatemala Part2





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Posted by トラネコ at 00:00│Comments(7)美術
この記事へのコメント
素晴らしい 作品を見せて頂き ありがとうございます。
生命力に溢れた大木 鳥たちの躍動感 綺麗な空気感が
伝わってきます。実際に目の前で見られたらもっと伝わるものが
有るでしょうね。ありがとうございました。
Posted by 招き猫 at 2021年09月30日 10:33
本当に素敵な絵です。花も国鳥もニ国間の友好にピッタリですね。
昨日は選挙結果に少なからぬショックを受けていましたが、朝から目が覚める思いでした。
木の写真は真下から見上げた状態なのでしょうか。神秘的なものを感じますね。正面から見たら、どんな感じかなあ。
Posted by ガトー at 2021年09月30日 22:11
招き猫様
有難うございます。
仰る通り写真だと大きさがでないので印象がかなり異なります。
もしかグアテマラに旅行される機会があれば、是非この世界文化遺産の街にお立ち寄りくださいませ。



ガトー様
有難うございます。
正面のアングルは下から4番目の完成写真です。
今回は光と空気の表現が比較的上手くいったかなと思いますが、時間がたって見てみると、さらに手を加えたい箇所や付け加えたいものが一杯出てきましたw こんなだから筆をおくときをしっかり決断しないと、いつまでたっても完成しないんですよね・・・
Posted by トラネコトラネコ at 2021年10月01日 01:55
一「日本とグアテマラは森と山に覆われた国」なるほど、グアテマラについての知識は殆どないのですが、そういう共通点があるのですね。どちらも自然を敬う気持ちが根底にあるのでしょうか?絵からは神秘的なもの、人間の力ではどうにもならないことがあることを知り、受け入れる姿勢が伺えます。二作品が同じ空間に配置されることで独特の空気感が醸し出されていますね。
Posted by kabu at 2021年10月01日 09:20
kabu様
有難うございます。
私はご存知のように「八百万の神々」を信じる日本人ですが、グアテマラの人口の半数を占めるマヤ文明の末裔達もスペインに征服される前は、日本人と同じ自然の神々を信じ、自然を大事にしてきた人々です。この精神を今も潜在的に持っていてくれる事を願っています。
Posted by トラネコトラネコ at 2021年10月01日 09:29
先日タイムリーなことにナショナルジオグラフィックチャンネルでマヤ文明の特集を見たばかりです。最近は科学がかなり進み歴史もこれまでの定説を覆す発見が続々とされているそうです。それによると中南米も歴史は古くマヤ文明よりさらに千年ほど前の古代の王朝らしき装飾品なども発見されたそうですから考古学界でもそのうちにビッグニュースが出るかも知れません。
Posted by 打倒 中共  at 2021年10月06日 00:56
打倒 中共様
同意です。
中央アメリカの古代文明はオルメカ文明が一番古いとされており、約3000年前といわれておりましたが、近年の発掘調査が進むにつれ5000~6000年前まで遡る可能性が出てきました。これはかつて4大文明と呼ばれた者に匹敵します。

ついでに私がこれらの文明や地域に興味をもった一つの理由に、翡翠を聖なる石として尊ぶ文化があったこと。これは日本と中央アメリカだけに見られる特徴です。実際に翡翠が採掘されています。

中米もそうですがさらに、南米もインカ以前のシカン文明が確認され、さらに古い遺跡も出ています。今後アメリカ大陸の考古学の調査が期待されています。ちなみに日本人学者がここでも大活躍しています。
Posted by トラネコトラネコ at 2021年10月06日 08:39
 
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