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芸術的価値と市場的価値

2008年05月25日

アーチストの村上隆の等身大フィギュアが
NYのオークションで16億円の値で落札された。

村上隆の作品はいろいろ批判の声が多いが、
実際に信じられない高額で売買されているのである。
たまに忘れたころに、絵が1点くらい売れる私にはうらやましい話だ。

さて村上隆の作風は一言でいえば、
漫画、アニメなどの日本サブカルチュアの延長線上にあり、
特別美術の世界では斬新でも目新しくもない。
また個性的でもない。
日本人には見慣れた作風でしかない。

しかも作品制作は工房で村上の弟子達が殆ど携わり、
村上は発想と指示をするディレクターである。
いわゆるスタディオ(工房)制作作品である。

新しくも無く、斬新な発想も無く、個性的でもない、
でも彼の作品は売れまくっているのである。
この現実にやっかみや嫉妬も絡んで、
村上を批判する声が多いみたいだ。

私は個人的には批判の声同様に、村上作品の良さがわからない。
しかし彼の作品を億単位のカネを出しても、
欲しがる人がいることはいいことだと思う。
批判があれど日本文化が世界に認められているのだ。

つまり芸術的価値と市場価値は、必ずしもイコールにはならない。
イコールにならなくても良いのだ。

芸術的価値があるのなら、時代がそれを証明するだろう。
100年後も村上作品が評価されていれば、
本物の芸術的価値があったということだろう。

浮世絵も日本では二束三文のイラストだった。
しかし幕末のパリ万博で西欧人から絶賛された。
印象派の画家やアールヌーボーの工芸家は、
こぞって浮世絵や日本美術の研究をした。
浮世絵を初めとする江戸美術がなければ、
現代アメリカ美術もなかったと、あえて極論してしまおうw

芸術的価値と市場的価値




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Posted by トラネコ at 03:42│Comments(0)美術
 
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