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アイヌ人は日本人ではないのか?

2009年04月27日

世界先住民族ネット:アイヌへの謝罪を--政府懇に提言書 /北海道
アイヌなど先住民族の権利回復を図ろうと、「世界先住民族ネットワーク・AINU」(萱野志朗代表)が25日、正式に設立される。同ネットは21日、道庁で記者会見を開き、政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」への提言書を発表した。過去に土地を収奪されるなどしたアイヌへの謝罪を求めた。

提言書では、政府が国会など公的な場で謝罪をした上で、07年に国連で採択された「先住民族の権利宣言」に盛り込まれている先住民族の自己決定権や自然資源利用権など、アイヌが従来持っていた権利の回復などを求めている。
同ネットは、昨年7月に開催された「先住民族サミット アイヌモシリ2008」の実行委員会メンバーらが新たに設立する。25日午後6時から、札幌エルプラザ(札幌市北区北8西3)で「創立の集い」を開催する。
Web版毎日ニュース
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20090422ddlk01040288000c.html


先回ドミニカ移民の問題で政府の不誠実な態度を批判した。
しかし今回見つけた変態新聞社毎日の記事を読んで、

え~?????????っと思った。

突然降って沸いたような「季節はずれ」の謝罪と賠償、権利よこせ!」
というお決まりのスローガンで、訴訟や集会を活発に行う団体というのは、
おおよそ検討がつくような気がするではないか。


そもそも先住民を虐殺して土地を奪い国家を成立させた国は、
アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが代表的
だが、
元々ある地域に住んでいた異民族を追いやって国家成立させた国となると、
現在200近くある国家群の大半になるのではないだろうか?

例えばヨーロッパなどはローマ帝国拡大以前のガリア地方(現在の中部ヨーロッパ)は、
現在アイルランドに残るケルト人の居住地だったし、
その地域をユリウス・カエサルのローマ帝国に支配されたケルト人は、
後のフランク王国のフランク族ラテン人と混血し、現在のフランス人になった。
今のアイルランドに若干残っているとされる(これも諸説あるが)

また移動してきたゲルマン民族は、
30以上の部族社会に分かれて住み分けをしつつも離合集散してきた。
しかしゲルマン各部族はそれぞれが独立国をつくって、
近代は戦争も頻繁に行ってきた。
ゲルマン人といえばドイツ人(german)を思い出すが、
イギリス人もオランダ人もオーストリア人もベルギー人も、
み~~~~~~~~~~んなゲルマン民族
である。
この地域で先住民の権利だの謝罪だの言い出したらややこしくて大変だ。


また先住民という定義だが、確かにアイヌは東北・北海道に
古くから住んでいたのは事実だが、しかしいつごろからとなるとわからない。
日本列島には縄文人と呼ばれる「先住民」が少なくとも土器の年代測定から、
1万6千年以上前から定住していることは既に衆知の事実である。

また近年の遺伝子研究では日本人(本州、北海道アイヌ、沖縄県の3地域を比較)
の遺伝子は、ほぼ同じで、北アジアを起源に持つ
ことが明らかにされている。
根井正利ペンシルベニア州立大学教授「現代人の起源」に関するシンポジウム(1993京都)にて、日本人は約3万年前から北東アジアから渡来し、弥生時代以降の渡来人は現代日本人の遺伝子プールにはほんのわずかな影響しか与えていない、という研究結果を出している。(ウィキペディアより引用)

こうして諸研究の報告を見てみると、
アイヌ人とはまさにわれわれ現代日本人と同根であり、
決して血を異にする異民族でもなければ先住民でもない
と私は思う。


しかし異なる集団を形成していた「部族」という点では間違いないかも知れない。
先に述べたゲルマン民族のように日本民族の一部族とするなら、
「大和民族」のアイヌ部族という定義は成り立つかも知れない。

しかしアイヌ人は国家を形成しなかった
集落単位の小集団社会を形成して、江戸時代には松前藩に徐々に支配されたが、
その後ロシアの南下に対して幕府が北海道の支配力を増した
結果的には江戸時代後期には、領土としてのアイヌ部族の主権はほぼなくなった。
さらに明治維新政府による蝦夷地開拓で、完全に北海道は日本領土となり、
アイヌ部族は日本人に組み入れられることになった。

この過程は琉球王国を形成した沖縄人と同じである。
私は個人的には沖縄人は歴史過程は日本とは異なるものの、
純然たる日本人であると考えている。

歴史のIFがタブーを承知でいうが、沖縄が今でも独立を保っていれば、
ドイツとイギリスの関係みたいな外交は持てたかもしれない。

同じ民族でも違う歴史過程を長期間継続すれば、
異民族としてのアイデンティティは形成されるだろう。

ちょうどドイツとイギリスみたいなものである。
しかしながら、少なくとも一度日本に併合され、日本人として100年以上も、
日本領土の一地方として政治経済が成立してきた現在、
もはや琉球民族・部族など人種的にも民族的にも存在しないと考える。

しかし逆もまた真なりである。
まったくDNAの異なる民族、人種であっても、
片方の影響力の強い集団に吸収されたら、
吸収された側はその集団としてのアイデンティティーを形成するだろう。

これは移民の二世以降をみればわかり易い。


話を戻すがアイヌ人も同じである。
アイヌは和人(本州日本人)とは異なる文化、生活形態を維持してきたことは事実だが、
国家としての自治権をもたず、松前藩、江戸幕府、明治政府にj徐々に吸収されてきた。

もちろん明治政府の旧土人法などの差別的な扱いや待遇があったにせよ、
或いは今でも部族としてのアイデンティティーはあるとしても、
現在アイヌ部族としての生活実態はまったく存在しないだろう。
そして現在おそらく純血のアイヌ人は存在しないだろう。
いたとしても数名おられるかどうかだと思う。

アイヌ人の言語も民族的生活形態もほぼ完全に消滅している

そのような現実のなかで「先住民の権利を復活」して、
どれほどのアイヌの血を引く人々がそれに戻りたいと思うだろうか?
この宣言や運動体は決してアイヌ人の末裔の方々の本意ではないと私は考えている。

おそらくいつものように人権や弱者を前面に出して、
それで飯を食う卑しい左巻き
が必ず背後にいるものと確信している。
かつての「従軍」慰安婦の高木弁護士みたいな輩がいると思っている。

誰かが言っていた。

「人権、弱者はカネになる」そうだ。



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Posted by トラネコ at 00:00│Comments(38)文化
この記事へのコメント
あんたの自己満だけの随筆に辟易するようになったわな。
Posted by 一刀両断 at 2009年04月27日 00:12
一刀両断様
あなたは何か勘違いされてませんか?
私は公人でもなければ、評論家でもないし、学者でもありません。
タイトルの下にあるように思いついたことを綴っているだけです。
まさに自己満足です。
しかしブログの殆どはみんなそうなんじゃないですか?
それぞれが自分の意見や考えや思いを自由に述べているだけですが、
それが何か問題でも?自己満足はいけませんかね?
建設的な意見や批判は大歓迎ですがね、中身のない枝葉末節な意見や感情論なら、わざわざコメントくださらなくても結構ですよ。
お暇な方なんですね。
Posted by トラネコ at 2009年04月27日 08:41
一刀両断とか名乗って頭の悪いコメントをつけてる低能な恥知らずは放って晒し者にしておくのがいいんじゃないですかね。笑
沖縄やアイヌで独立どうのとフカしてる連中はこういう自分たちにそんな実力は歴史の中でも無かったし、ましてや現在も無いという事実をつきつけられると狂ったような反応を示します。

旧土人保護法は完全な福祉の法律です。
http://www.k3.dion.ne.jp/~kamishin/Dozinhou.htm
右側にいかにもなねじ曲がった解説がついてますが、逐条読んでみるとよくわかりますよ。

日本人が"アイヌ"を収奪する差別主義者ならなんで農具や種子をタダで与えたり、病人に薬を買ったり、葬式代まで出してやらなけりゃならんのですかね。
これらは日本人にすら与えられていない逆差別の特権で、彼らの人口増加に最大限貢献しようとしているようにしか読むことはできない。
ましてや差別主義者なら教育なんてする必要がない。無知なままほおって奴隷として労働させればいいだけです。白人がやったようにね。
また財産権を否定したなどと言ってる第二条、これは近代契約社会に無知な人びとが
騙されたり目の前の貧しさのために二束三文で売り払ってしまわないように配慮したものですよ。
そして共有地の問題はまさに中南米で問題になったことで、これに半ば公的保護を与える形で対応したのも適切。
当時の欧米列強による侵略の嵐が吹き荒れる世界で三十年も土地を活用せず遊ばせておくなら取り上げるというのも仕方なかったことでしょう。
富国強兵以外に生きる道はなかったのだから。

そして教育における理科や歴史がなかったという問題。
まず公教育が始まった当時の日本人もそうでしたが、子供は貴重な労働力だったんですよ。
だから多くの家庭が何の役に立つのかわからない教育に子供を取られるのをいやがった。
ましてや当時の北海道で狩猟採集をやっていた部族の方々がそれ以上に余裕があったはずもない。
彼らが近代社会で生きていくためにはまず、字を覚え、生活の手段として農業を会得することが最優先だった。
修学年が遅く、幾つか教科が削られたのは当時の彼らの生活実態に配慮したもので、これは土人保護法ともども一貫している。

http://www.town.urakawa.hokkaido.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC020000&WIT_oid=icityv2::Contents::3450

  栄養不良な顏、ショボショボ目の子、がんべの子、ひぜんに患う子、そ

 れに動作の不活発・・・・・・。総ての悪いところばかりすぐり寄せた感じ

 の淋しげの私の教え子。私は言葉もなく、じっと一人ずつ見まわす内

 に、ひとりでに目頭が熱くなりました。なんという可哀相な子ども達ばか

 りだろう。よし、できる限りの愛と熱とをもって、伸び伸びとした活発な子

 どもにしてやりたい、それが私の念願でした。

こういったことが当時の貧しい元狩猟採集民の実態でしょう。まともな医療など何一つなかったのだから当然です。
狩猟採集で生きていくてくなんてことは当時の世界において不可能になっていた。北海道はすでに列強の角逐の場だった。

21世紀の現在において一方的に侵略し、同化政策を行うのは悪そのものですが、当時の欧米による人種差別に基づく世界奴隷化競争が続く世界において
極力人種差別を廃し、まだ近代社会に適応できていない人びとに多大なコストを払って現実の世界を生きていける文明人にするなんてことをやったのは日本だけでしょう。
当時の白人以外の人種にとって奴隷にならず生きていくことが最優先目標だった、当時の世界においてはあり得ないほどの善行だった。
当時の世界の状況を覆い隠して今の基準で過去を一方的に切り捨てる、悪質なやり口だ。

私は今自分がアイヌだアイヌだと騒いでる連中の99.9%が"エセアイヌ"だと思いますね。
そんなにアイヌ文化が素晴らしいなら自治区でもつくってその中に自称アイヌを住まわせたらいい。
「侵略者」であり、「アイヌの文化を破壊」した日本の助けなど一切受けずにね。

私は北海道の元狩猟採集民の血を引く人や沖縄の人がちゃんと文化を守って欲しいと思いますが、
このような自分たちの当時おかれた状況を無視して勝手なことばかり抜かして
公金を詐取しようとしているのを見ると腸が煮えくりかえりますよ。
今のこれらエセアイヌたちは、日本人の多くをそうさせつつある。
Posted by 山上の井戸 at 2009年05月01日 16:35
山上の井戸様
お返事遅れまして大変失礼いたしました。
やっとネットも使えるようになりました。
私の大学の同級生でアイヌ出身者がいます。
彼は私には一切自分がアイヌであることを明かしませんでしたが、周りはみんな彼の風貌でわかっていました。
私は彼がアイヌであろうがなかろうが、別に興味もなかったので問いただしたりはしませんでした。いまでも彼とはたまにメールを出す程度ですが、繋がっています。彼は一切自分の出身をもって権利主張したり、卑屈になって差別がどうこうと文句言ったりしませんでした。どこかの半島民族のような卑しさは微塵もない立派な人物です。本来のアイヌの人々はこのような人が大多数ではないでしょうか。私はそう思います。
Posted by トラネコ at 2009年05月28日 08:50
チベット民族は中国人ではないのか?
Posted by ニーハオ at 2009年06月29日 08:59
     ↑
チベットは自主独立国家であったものをシナが侵略植民地支配し、
民族浄化政策を現在も推進しているのはご存知のとおりです。
東トルキスタン共和国も内モンゴルも満州国も同じです。

アイヌ問題とは根本的に異なるということは理解できませんか?
Posted by トラネコトラネコ at 2009年06月29日 09:45
↓「総合研究大学院大学のプレスリリース(2012年11月1日)」より、まず最後の「図4a、図4b、図5」以外は全て「縄文的要素」だけについて述べられています。(以下のプレスリリースを開き、比較しながら以下の文を読んでみてください)
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↓アドレスバーに貼り付けてEnterキー(実行)を押して下さい。
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://www.soken.ac.jp/news/5276/
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:39
「ミトコンドリアDNA(mtDNA)、Y染色体ハプロタイプ、HLA(人白血球型抗原)」の調査結果から、例えば「アイヌ」には「ニヴフ(Nivkh)」の系統が混じっていると、かなり以前から指摘されていました。
【アイヌ】Y染色体(C3)=12%、mtDNA(Y)=21%
【ニヴフ】Y染色体(C3)=43%、mtDNA(Y)=66%
単純計算で「((12÷43×100)+(21÷66×100))÷2 ≒ 30%」となります。但し、「ニヴフ」は「アイヌ」との交流の他、別の民族とも交流があったと見られ、今の構成の「ニヴフ」ではなく、過去はこうであったろうと推定される「ニヴフ」との交流があったという事です。現在より「ニヴフ」の「C3/Y」が高かったと推定されるので、個人的には「20%以下」ではないかと見ています。これは、「プレスリリース」であらためて言われるまでもなく、以前から知られていた事です。

また、
【縄文系】Y染色体=DE系統D、mtDNA=M7a、M10等
【弥生系】Y染色体=NO系統O、mtDNA=Z、N9a等
であり、「本土日本人と沖縄県民」は「縄文」と「弥生」との混血、「縄文」の「DE系統D」は他の東アジア集団には、ほとんど見られないとも指摘されていました。しかし、これらは単なる「マーカ」を調査した結果であり、常染色体そのものを調査した結果ではありません。そこで、常染色体についても調査してみよう、「縄文的要素」という観点で、日本列島3集団、合わせて他の東アジア集団も調査してみようというのが、この「プレスリリース」の主旨です。
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:39
↓「総合研究大学院大学のプレスリリース(2012年11月1日)」より、まず最後の「図4a、図4b、図5」以外は全て「縄文的要素」だけについて述べられています。(以下のプレスリリースを開き、比較しながら以下の文を読んでみてください)
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↓アドレスバーに貼り付けてEnterキー(実行)を押して下さい。
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://www.soken.ac.jp/news/5276/
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:40
「図1a、図3a、図3b」については「横軸(PC1)」が「弥生的要素⇔縄文的要素」を示し、「縦軸(PC2)」が「弥生的及び縄文的要素と相関関係にない他要素」を示します。「図1a」の説明の中に、
・「横軸(PC1)は、左にゆくほどより縄文的要素を、右にゆくほどより弥生的要素を示していると解釈できる」
・「縦軸(PC2)は横軸で説明された分散以外」
とあります。つまり「横軸(PC1)」は、縄文と弥生との差異が分かる要素(主成分)について、分散の度合いが最大になるように「線形代数」を用いて示しているのです。だから「★縄文的要素がどれ位あるか(横軸(PC1))」と「★別の要素がどれ位あるか(縦軸(PC2))」しか分かりません。図3a、図3bは左右は逆ですが、同じ内容を表しています(但し縦軸(PC2)の距離を狭めて他の東アジア集団も図に入るようにしています)。
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:41
「図1a、図3a、図3b」は「弥生的要素」内での差異を示すような要素は全く入っていません。あっても縦軸で示されます。つまり韓国人から「縄文的要素」を除けば、中国人(CHB=北京)と同じクラスタにほぼ入ってしまい中国人と全く区別がつかなくなります。これは本土日本人から「縄文的要素」を除いても同じ結果となります。

韓国人の「縄文的要素」は「10%」もないでしょう。「Y染色体ハプロタイプのD」からも「mtDNAのM7a」も今のところ「数%」しか検出されません。しかし、比率が少なくても縄文と弥生との差異が大きいので影響も大きいという事も考えられます。よって、
・「図1a、図3a、図3b」の「横軸(PC1)」が「弥生的要素⇔縄文的要素」を示している以上、韓国人にも僅かとはいえ「縄文的要素」が存在する事を示しています(縄文的要素としてのクラスタに含まれる)。
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:42
・韓国南部の一部地域は、その他の朝鮮半島とは異なったクラスタ構成を持っている。
・日本統治時代の痕跡(D1B、M7aなど)も見られる(同じような痕跡がミクロネシアでも見られる)。

「総合研究大学院大学のプレスリリース」の「図4a、図4b」は上記と異なり、「標準遺伝距離を東アジアの29人類集団間で計算し、それらに対して近隣結合法(塩基の置換数による測定)により系統樹を作成した結果」とあります。まず、弥生的系統内における違いは、縄文と弥生との差異と比べると段違いに小さいという事が前提となります。それだけ縄文は他とかけ離れた存在なのです。韓国人から「縄文的要素」を取り除いた「弥生的要素」と、日本人から「縄文的要素」を取り除いた「弥生的要素」が同じであれば、韓国人は「図4a、図4b」の日本列島クラスタの「枝」の途中(根元側に近い位置)に入りますが、入っていないので、韓国人と「弥生人」とは構成が異なる事を示します。韓国人の「縄文的要素」が日本列島クラスタの方向に引っ張っているにも関わらずです。沖縄県民(琉球民族)は「図5」からもわかる通り、弥生系は同じです。「縄文系+本土日本人=琉球民族」と示しているので、中国は(起源を主張するなどは)一言も言えないでしょう。

「弥生的要素」について、韓国人と日本人とで比較対象となる「Y染色体ハプロタイプ」は(C3はここでは除かれます)
・O2B系(O2B*とO2B1)
・03
の2つとなりますが、O2B*とO2B1は同じO2B系であり差異も少ないと考えられるため除外します。そうすると残るのは中国人の「主系統」でもある「O3」です。「O3」は「他O系」と比較しても20000~25000年(ISOGGによる)の隔たりがあり、「他O系」との差異もそれなりに存在すると考えられます。「O3」の比率を調べると、
・中国人:55~66%
・韓国人:45~50%(←「O3」は韓国人の主系統でもある)
・本土日本人:10~16%
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:42
となります。一概に上記の比率通りとは限りませんが、今の韓国人の約半分(混血)近くが「中国人の主系統」、これは、朝鮮民族が強く漢民族などの影響(混血)を受けている事を示しており、またこれは「HLA(人白血球型抗原)」による調査結果「朝鮮民族は満州族や中国東北部の漢民族と近い」とも一致します。しかし、韓国南部の一部地域は除外されるかもしれません。

「総合研究大学院大学のプレスリリース」からまとめると、
・「ミトコンドリアDNA、Y染色体ハプロタイプ、HLA」調査結果が「常染色体」にもあてはまる(そのままの値とは限りません)。
・日本人は他の東アジア集団には見られない「縄文的要素の特異性」があらためて確認された(Y染色体ハプロタイプD1Bの事が該当します)。
・「図1a、図3a、図3b」の「横軸(PC1)」が「弥生的要素⇔縄文的要素」を示している以上、韓国人にも僅かとはいえ「縄文的要素」が存在する。
・「図4a、図4b」で韓国人が日本列島クラスタの「枝」から外れていることは、日本人の弥生的要素と韓国人の弥生的要素に違いが存在する事を示す。
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:43
【Y染色体ハプロタイプ(日本人)】
・D1A
・D1B1/D1B2←本土縄文人特有★
・D1B*←アイヌ系縄文人特有★
・O1A
・O2A
・O2B*
・O2B1←弥生人特有☆
・O3←弥生人および有史以降の渡来人?☆
・C1←日本固有(徳島県に多い)★
・C3
・N

【ミトコンドリアDNA(mtDNA)(日本人)】
・D
・G
・M7a←縄文人特有★
・M7bc←縄文人特有★
・M8
・M10←縄文人特有★
・M←縄文人特有★
・A
・B
・F
・Z←弥生人特有☆
・N9a←弥生人特有☆
・Y←日本ではアイヌ民族特有
※mtDNAの特有とは、日本特有という意味ではありません。
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:43
Y染色体ハプロタイプの一部名称が変わりました。内容に変化はありませんが、名称が以下の通りかわりました。

今までは
D1←チベット民族
D2←日本人(アイヌ、琉球含む)
D3←チベット民族
D4←フィリピン・マクタン島住民
でしたが、

D1→D1A
D2→D1B
D3→D1C
D4→D2

とISOGG(遺伝的系譜国際学会)により変更になりました。日本人については、なじみ深いD2からD1Bとなりました。
※「Wikipedia」では、まだ変更しきれていない部分があります。また、本来は「D1b」と記述しますが、見やすいように「D1B」と記載致します。)
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:44
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ISOGG(遺伝的系譜国際学会)
://www.isogg.org/tree/
://www.isogg.org/tree/ISOGG_HapgrpD.html
://www.isogg.org/tree/ISOGG_HapgrpO.html
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:45
本土日本人は「縄文人」と「弥生人」とのほぼ半々の比率の混血民族です。

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↓Y染色体ハプロタイプ
://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA#Y.E6.9F.93.E8.89.B2.E4.BD.93.EF.BC.88.E7.88.B6.E7.B3.BB.EF.BC.89.E3.81.AB.E3.82.88.E3.82.8B.E7.B3.BB.E7.B5.B1.E5.88.86.E6.9E.90

↓2008年、住斉(すみ・ひとし)筑波大名誉教授による「縄文人特有mtDNA」と「弥生人特有mtDNA」による計算結果より
://y-sonoda.asablo.jp/blog/imgview/2009/05/24/a542e.jpg.html
(産経新聞より抜粋)
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:45
【日本3民族 遺伝子上(Y染色体ハプロタイプ)】
----------------------------------------
【 本土日本人 (%は混血比率)】
・DE系統D亜型D1B1/D1B2(約40~45% YAPあり)
・NO系統O亜型O2B1(約20~30%)
・NO系統O亜型O3(約10~16%)

※ 縄文人:D1B1/D1B2
※ 弥生人:O2B1(O3も含む可能性あり)
その他として数%「C1(日本固有)」「N」「C3」「O2B*」検出。
----------------------------------------
【 沖縄県民(琉球民族)(%は混血比率)】
・DE系統D亜型D1B1/D1B2(約50~60% YAPあり)←本土日本人より高い
・NO系統O亜型O2B1(約20%)
・NO系統O亜型O3(約20%)
----------------------------------------
【 アイヌ民族 (%は混血比率)】←★NO系統無し
・DE系統D亜型D1B*(約80% YAPあり)←極めて高い
・DE系統D亜型D1B1(約6% YAPあり)
・CF系統C亜型C3(約10~15%)←【*注】
【*注】オホーツク沿岸民族と推定される系統
----------------------------------------
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:45
「本土日本人、沖縄県民(琉球民族)」 と 「中国人(漢民族)、韓国人(韓民族)」とはかなり異なります。
----------------------------------------
【 中国人(漢民族 %は混血比率)】←★DE系統なし
・CF系統C亜型C3 (約 8%)
・NO系統O亜型O1A(約10%)
・NO系統O亜型O2*(約10%)
・NO系統O亜型O2A(約 5%)
・NO系統O亜型O3 (約54%)←★中国人(漢民族)の主系統
※地方差あり
----------------------------------------
【 朝鮮人(韓民族 %は混血比率)】←★DE系統なし
・NO系統O亜型O2B*(約30%)
・NO系統O亜型O3(約45%)←★中国人(漢民族)の系統
・CF系統C亜型C3(約12%)

その他として、数%「D1A」「O1A」「N」「K」「D1B」「O2B1」が検出。
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:46
朝鮮人は、O2B*とC3の混血をベースに、中国人(漢民族)が大量流入したように見える。「DE系統D亜型D1B1/D1B2」については、韓民族は全く含まれていませんから論外です。「O2B1(弥生人)」と「O2B*(韓民族)」ですが、
=======================================
・O2B*(O-M176*)→ベトナム、満州族、朝鮮民族(47z突然変異なし)
・O2B1(O-47z)→本土日本人、沖縄人(47z突然変異あり)
=======================================
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:47
「ISOGG Possible time of origin O-47z→7,870 [95% CI 5,720~12,630] years」 「47z突然変異」は約7870年前(最小5720年~最大12630年前 確率95%)に発生。

,,,,,,,,,,,,,,+----------------------- O2B*
O2B ---+
,,,,,,,,,,,,,+---★------------------ O2B1
,,,,,,,,,,,,,,,, O-47z発生
,,,,,,,,,, (5720~12630年前)

満州族、朝鮮民族、ベトナム民族等の「O2B*」と、弥生人の「O2B1」は、約7870年前に完全に別れ、その後、何ら接触がなかった。もちろん、弥生人は朝鮮半島を経由したのかもしれないし、あるいは中国から直接来たのかもしれない。しかし、経由でも痕跡くらいは残っているはずだが、中国東北部から「O2B1」が全く検出されない為、弥生人は中国本土から直接渡来した可能性がある。
------------------------------------------------------
コロンから始まるURLアドレスをコピーします。
↓アドレスバーに貼り付けてEnterキー(実行)を押して下さい。
------------------------------------------------------
://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%B0%91%E6%97%8F#.E9.81.BA.E4.BC.9D.E5.AD.90.E7.9A.84.E7.B3.BB.E8.AD.9C
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:47
「Y染色体ハプロタイプ」から「日本民族」の系統を、おおよそでまとめてみると以下の通り。

私たち、現世人類(ホモサピエンス)は、東アフリカの熱帯で誕生(約20万年前)し、約14万年間はそこで暮らしていました。いわば熱帯産まれの熱帯育ちです。そこで、部族間で顔かたちがある程度異なるような多様化をしていたと思われます。 今から70000年~75000年前、インドネシアのスマトラ島にある「トバ火山」で、極めて大きな大噴火が発生し、噴煙が地球を覆って、地球規模の大寒冷化を引き起こしました。アフリカも、深刻な寒冷化、大干ばつが発生し、サピエンスを襲いました。 しかし、これをきっかけとして、今から約6万年前(もう少し早かったのではという説もありますが)に、生まれ故郷であるアフリカの熱帯を後にして、東へ向かったサピエンスが現れました。それが今、アフリカ以外の世界中に広まり、私達の元となった「CF系統」「DE系統」の民族です。(出アフリカを6万年前として以下にまとめてみます)
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・AとBはアフリカに留まりました。
・CF系統から約70000年前(アフリカ内)でCが産まれました(CF系統C)
・CF系統から約45000年前(インドあたり)でFが産まれました(CF系統F)
・DE系統から約68000年前(アフリカ内)でDが産まれました(DE系統D)
・DE系統から約55000年前(中東あたり)でEが産まれました(DE系統E)
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・CF系統C → 後のモンゴル人です(その他の民族もあります)。
・CF系統F → 後のヨーロッパ民族(白人)、東南アジア、中国人、朝鮮人、そして「弥生人」です。
・DE系統D → 後のチベット人、そして「縄文人」です。
・DE系統E → 後に中東、地中海沿岸、アフリカに広まった民族です。
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Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:48
「DE系統DE」と「DE系統D」は、アフリカを出て東へ向かいましたが、中東付近で「DE系統DE」は留まりました。しかし、「D」は更に、東へと向かい、途中、インド洋のアンダマン諸島に一部を残して、更に東へと向かって、今から4~5万年前に、初めて東アジアに到達しました。東アジアに到達した「D」は、今から3万8千年前に、2つに分かれ、その一方は、日本列島に向かって、今の日本人(大和民族)、アイヌ民族、琉球民族の3民族の元となった民族(D1B、すなわち縄文人)となりました。そしてもう一方は、チベット、ブータンに至った民族(D1AとD1C)となります。さて、中東付近に留まった「DE系統DE」は、こちらも2つに分かれ、新たに産まれた「DE系統E」は中東、アフリカ、ヨーロッパ地中海沿岸(ギリシャ、イタリア、エジプト、その他)へと向かいました。しかし、2つの系統「D」と「E」を産み出した「DE系統DE」は、その後、地球上から消えてしまいます。
★日本人と「チベット民族、そして中東、地中海沿岸民族」とは近縁であるというのは、こういった経緯があるからです。そして、日本列島では、しばらくの間(1万年~2万6千年間)、縄文人(D1B)だけの世界が続きます。

↓ 「wikipedia」を参照して下さい。
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://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97D_(Y%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93)
://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97D2_(Y%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93)
://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E6%B0%91%E6%97%8F#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E4.BA.BA.E3.81.A8.E3.83.81.E3.83.99.E3.83.83.E3.83.88.E7.B3.BB.E6.B0.91.E6.97.8F.E3.81.AE.E8.BF.91.E7.B8.81.E6.80.A7
://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%8C#.E7.8F.BE.E5.9C.A8.E3.81.AE.E5.AD.A6.E8.AA.AC
://blog.livedoor.jp/kaikaihanno/archives/36645860.html
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:48
-----【縄文人の正体について】-------------
「東アジアに定住したもっとも早期の現生人類とりわけチベット人集団と日本人集団の共通の起源に関するY染色体上の証拠について(2008年)」
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↓英文の論文
://www.biomedcentral.com/1741-7007/6/45
↓日本語翻訳
://www.geocities.jp/ikoh12/kennkyuuno_to/012_4Y_chromosome_no_kennkyuu.html
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・「DE系統D」と同じ祖を持つ「DE系統E」
://www.eupedia.com/europe/Haplogroup_E1b1b_Y-DNA.shtml
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:49
さて次に、やはり6万年前にアフリカを出て東へ向かった、別の系統「CF系統F」です。「CF系統CF」から「CF系統F」が誕生し、中央アジア(インド付近)に留まります。その後、幾たびかの変遷を経て、東アジアで一般的な「NO系統O」の民族が誕生します。2万年~2万5千年前に「O3」が誕生し、今の中国人(漢民族)となります。また「O2B」も誕生しますが、こちらは今から約7870年前に、2つに分かれ、その一方は、ベトナム人、満州族、韓国人(韓民族)の「O2B*」、もう一方は「弥生人」の「O2B1」となります。 「O2B1」に「O3」も加わって、有史以前の、今から3千年ほど前に日本列島に渡来しました(有史以降の渡来は少数です)。日本列島へ「弥生人(O2B1とO3)」が渡来した後、「縄文人(D1B)」との混血として今の日本人(大和民族)と琉球民族が誕生します。しかし、アイヌ民族は、弥生人と混血する事はありませんでした。
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://www.soken.ac.jp/news/5276/
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:50
Y染色体ハプログループの系統分類に使われる突然変異として、例えば「O2B」は、一塩基多型(SNPs:スニップス)で判別します。しかし「D1B(旧D2)」は「YAP」と呼ばれる特異な配列(約300塩基)を持っています。Y染色体長腕部「Yq11 DYS287」にある塩基配列に「YAP」が存在します。

【Y染色体】
DXYS1Y Yp11
PABY Yp11.3
DYS1 Yq11.2
DYS287 Yq11 ←★YAPが存在する位置
DYZ8 Yq11

元々、人の遺伝子の約13%に、SNIEというDNA配列があります。SNIEは、逆転写された RNA分子を表現する短いDNA配列であり、本来ならtRNA、rRNA、その他の核内低分子RNAに転写されるべきものであるのが、DNAに配列挿入されてしまったものです。生体内での使用目的は、まだ判っていません。最も多く見られるSNIEとして、Alu 配列(Alu sequence)があり、蛋白質コード配列を全く含みません。制限酵素AluIで認識されるため、「Alu(アル)」と呼ばれます。YAP(Y Alu polymorphic element)は、Y染色体の特定位置「Yq11 DYS287」に、SNIEの主要となるAlu配列が飛び込んでしまったY染色体ハプログループマーカで、約300塩基で構成されています。インターネットで「Alu 配列」などで検索するといいでしょう。
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:53
「生体内での使用目的は、まだ判っていません」←と記載しましたが、常染色体にAlu 配列が飛び込む場合、規則性があり、ある特定の塩基配列にだけ入り込むことが分かっています。しかし、遺伝子がぶっち切れることに変わりなく、その遺伝子の機能が無くなってしまうかどうかがよく分かりません。しかし、ロバストネスもあるので、救済される場合もあるのかもしれません。タンパク質コードがないので、そのままでは遺伝子としては機能しないと考えますが、それが進化(新規形質の取得)等にどう影響するか等がまだよくわかりません。 Alu配列は、めずらしくもなんともない、ありきたりの遺伝子配列(遺伝子としては機能しない)ですが、Y染色体の特定のエリアに飛び込んでしまったという点がめずらしいという事です。
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:54
「↑・CF系統F → 後のヨーロッパ民族(白人)、東南アジア、中国人、朝鮮人、そして「弥生人」です。」も疑問に思ったでしょう。

私たち現生人類(ホモサピエンス)は東アフリカで誕生しました。そして、出アフリカ(約6万年前)以前の現生人類(ホモサピエンス)の肌の色は、皆、「黒」若しくは「褐色」であったと推定されます。私たち日本人も、そしていわゆる白人と呼ばれている人達も同じです。

突然変異とは「DNAの塩基の並びの変化」です。例えば、細胞分裂の際の「コピー(複製)ミス、(SNIE含)」、染色体レベルでは「欠失、重複、逆位」で発生し、この変化は子世代に引き継がれる場合があります。それが子世代にとって生存や繁殖に有利な変化であれば、「新しい手直し」としてそのまま引き継がれていきます。しかし、進化(新規形質の獲得)は単純ではない事が判っています。ここでは、目に見えて確認できる変化を「表現型」として説明します。遺伝子とタンパク質の間にネットワーク構造(遺伝子制御ネットワーク)があり、その中で、まず前提として、遺伝子制御ネットワークによって、突然変異が生じても、目に見える違いとして現れにくい性質があります(頑健性:ロバストネスと言います)。そのため、
●通常は表現型に影響を与えないまま保持される中立変異があり、環境的変化を受けると目に見えて多くの変化を生じ、適応的な新規形質を生じる可能性が高まります。
●生物はまず、環境変化に、遺伝的変異によらない対応で変化し順応する。その後、その変化を作り出す遺伝的変異が生じ、環境に対応した表現型が固定する。
●多くの新規形質は、別の表現型で利用されていた遺伝子ネットワークを利用し、新しい表現型を作り出す。
ということが判っています。
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:55
つまり、表現型に出てこない中立の突然変異が、常に起こっており、表に出ない状態で、ダムにせき止められた水のように、どんどんと蓄積されていく。そうなると、ほんの僅かな突然変異をトリガとして、まるでスイッチが切り替わったかのような、大きな変化、早いスピードで表現型の変化が起こりうるという事です。その変化は何処でも発生しているが、アフリカでは、紫外線が強いという制約があります。極端な例ですが、母親の卵子を作るさいの、ほんの僅かなコピーミス(突然変異)をトリガとして、「黒人」の両親から、メラニン色素減少、肌が白、連動して目が青、金髪の子供が生まれるという事も十分にあり得るという事です。しかし、アフリカは紫外線が強いため、その子は選択されず、集団としては変化がない、つまり、黒い肌が「選択」され、「固定」してしまったという事です。しかし、出アフリカとなると、紫外線が強いという制約が無くなります。そうなると、目に見えて多くの変化を生じ、「適応的」な新規形質を生じる可能性が高まる。つまり、制約、枠が無くなったので、変化が次々と発生し、集団を作っていくという事です。もちろん、集団の密度、隔離度、その他のもろもろの条件も影響するでしょう。結果として、その環境に適合したもの(つまり肌が黒ではない)が「選択」「固定」され、結果として、今の世界の民族となったという事です。

実際には、「肌の色が黒い集団」が突然「肌が白く、目が青い集団」になった訳ではないようです。約10000年前の「黒海周辺」の地域で、「目(つまり虹彩)が青」の民族が突然変異で発生したと推定されています。また「金髪」は北欧で発生したと推定されています。つまり段階的に突然変異により発生した模様です。
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:56
DNA分析による遺伝学が進歩したことも加わって、「人種」と言う分類法は用いられなくなりつつあり、かわりに民族集団や連続的な遺伝的特徴(例えばクライン)といった概念が用いられるようになってきています。世界的な「Y染色体ハプロタイプ」の調査が1990年後半から始まり、2000年代になってだいたいの状況が判明してきています。そして、それまでの定説が次々と覆されています。「現生人類」は「ホモ・サピエンス」一種のみです。2万年前には別の種「ネアンデルタール人」がいましたが、今はもういません。人種とは、ヒト・人間を分類する用法の1つですが、 生物学的な種や亜種とは、異なる概念であり、現生するヒトは、遺伝的に極めて均質であり、種や亜種に値する差異も存在しません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E7%A8%AE

↓例えば、「アメリカ先住民」はDNA上、ヨーロッパ民族と近縁の模様です。
http://jp.sciencenewsline.com/articles/2012113020150001.html

「ネイティブアメリカン」は「Y染色体ハプロタイプ」では「Q2」の民族です。「Q2」は一般的なヨーロッパ民族(R1A/R1B)と近縁の民族です。また、このDNA(マーカ)は日本では全く検出されません。
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【 アメリカ先住民(南北アメリカで混血比率は異なる)】
・QR(P)系統Q亜型Q2(多数)←ヨーロッパ民族と近縁の系統
・CF系統C亜型C3(僅か)←モンゴル人等と同じ系統
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Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:56
つまり、失礼な言い方ですが、基本的な考え方として、
「アメリカインディアン」+「漂白剤につける」=「イギリス人、フランス人、ロシア人」
と考えればいいでしょう。単なるメラニン色素の量の問題ということですね。遺伝的にはゴミみたいな違いでしかないのです。
「アフリカ大陸内」の民族は、その他の大陸の民族全てより多様性が高いのです。もちろんメラニン色素による違いを除けばですが。

↓目の色、つまり青い虹彩は、レイリー散乱で青く見えます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%83%BC%E6%95%A3%E4%B9%B1

メラニンが極端に少ない事を示し、実際に青い色素がある訳ではありません。メラニンは、主に黒褐色の真性メラニン(eumelanin)と、橙赤色の亜メラニン(Pheomelanin)の2種類があります。

日本人で多い茶色の目(虹彩)ですが、メラニンが減少すると「茶→緑→青→紫」と変化します。「構造色」と言います。東北地方では、日本人なのに青い目の方がいます。メラニンが極端に無くなると、白くならず、虹彩の構造で「青」になります。もっと進むと、血液の赤とまざって「紫」になります。鮮やかな青で知られる「モルフォ蝶」の実際の羽の色は無色です。青の波長は乱反射しやすい為、青く見えているだけです。空が青く、夕日が赤いのと原理は同じです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%88%E3%81%AE%E8%99%B9%E5%BD%A9%E3%81%AE%E8%89%B2#.E3.83.96.E3.83.AB.E3.83.BC.EF.BC.88.E9.9D.92.E8.89.B2.EF.BC.89

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%8B%E3%83%B3

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%A6%E5%B1%9E
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:57
一般的な遺伝子(DNA)検査で、個人レベルの「民族」判定は出来ません。

「ミトコンドリアDNA」、又は「Y染色体ハプロタイプ」の「マーカ」自体の「ルーツ」を調べる事はできますが、ご自身(個人レベルで)の「ルーツ」を調べる事はできません(結論として、一般的なDNA検査では、ご自身が「大和民族」「漢族」「韓民族」なのかを識別する事はできません。これはDNA「マーカ」というものの性質上そうなります)。

日本人の例として、
---------------------------------
・ミトコンドリアDNA=M7a1a3 (ハプロタイプM7a)
・Y染色体ハプロタイプ=D2a1a1 (DE系統D亜型D2)
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というように、1種類ずつしかわかりません(上記は日本人「大和民族」で検出される、わりと多いマーカですが、これが出たからといって「大和民族」であるという保証にはなりません。また他のマーカが出たからといって「大和民族」ではないという事でもありません。日本人は混血民族であり、結局は何が出てもおかしくはないのです)。
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:57
「ミトコンドリアDNA」「Y染色体ハプロタイプ」で民族の系統分析が出来ます。しかし、これらは大規模な集団についてはその比率において民族の違いが判別できますが、個人レベルでは不可能です。例えば、日本人でよく検出される「Y染色体ハプロタイプ」の主なマーカは「D2A」「O2B1」「O3」「C1」「N」です(アイヌの人達は「D2*」「D2A」「C3」)。日本人集団の中でその占める比率は、日本人であるあなた個人の体の、混血比率となります。マーカ「D2A」を持っている日本人と、マーカ「O3」を持っている日本人、それと日本人女性(Y染色体を持たない)も、その混血比率はほぼ同じです。しかしながら、マーカはその人(男性)が偶然もっているだけで(mtDNAについては男女ともあります)、個人に対しては何の意味もなさないのです。例えば、韓国の人の中にも、数こそ少ないながら、マーカ「D2A」を持っている方がおそらくいるでしょう。しかし、その人の混血比率は朝鮮民族の比率であって、日本人とは違うのです。その人は遠い過去にあったマーカ「D2A」を偶然持たされただけにすぎません。「マーカ」はいわば気まぐれカードです。色々なカードがある中で、偶然それを持っているだけにすぎません。Y染色体ハプロタイプにしても、またミトコンドリア遺伝子にしても、「マーカ」は「大規模な集団」については強力な判別情報となりますが、「個人レベル」では全く意味をなさないのです。有名な良い例をもう一つ上げますと、どこからどう見ても白人のイギリス人なのに、黒人の「Y染色体ハプロタイプA系統」を持っている人がいます。これも同じです。「マーカ」は、その比率のみ、その集団を他と識別する情報となる意外、何にも使えないという事を理解しておいて下さい。特に個人レベルでは全く判別不能です。有史以前から日本人として続いている家系でも、Y染色体ハプロタイプ(もちろんmtDNAも)では何が出ても不思議ではなく、また何の意味もなさないという事です。
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:59
唯一、中国人、韓国人、日本人を、個人レベルで、おおよそで区別ができそうなのは、現在のところ「DNAマイクロアレイ」による分析だけと推定されます(一般的な検査ではありません)。
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73749&type=0
http://ja.wikipedia.org/wiki/DNA%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%A4
Posted by シシリー at 2014年07月04日 22:59
よくある疑問点として、縄文系とか弥生系とか言われていますが、結論としては、日本人は混血となります。

① 人間の染色体は46本で、2本は性染色体、44本は常染色体です。
② Y染色体は親(男性)から子(男性)に継承される→Y染色体ハプロタイプ(ここではo2b1)も「Y染色体(性染色体)」によって、親(男性)から子(男性)に継承される。
③ 殆どの遺伝子は「常染色体」にあって、「Y染色体(性染色体)」の引き継がれ方と連動せずに引き継がれる、つまり、「常染色体」と「Y染色体(性染色体)」の引き継がれ方に「相関関係」は全く無い。

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【O2b1の男性O】(つまり弥生系)
Y染色体.............常染色体
.Y(O2b1).....X(o01)..X(o02)..X(o03)..X(o04)..X(o05)..X(o06)---
.X(----).....X(o21)..X(o22)..X(o23)..X(o24)..X(o25)..X(o26)---
※目の一重二重、顔かたち等の容姿も含め殆どの遺伝子は常染色体にある

+(プラス)

【D1B(男性)の子(女性D)】(つまり縄文系) ※分かりやすいように「★」で示す。
Y染色体なし.........常染色体
.X(----).....X(★01)..X(★02)..X(★03)..X(★04)..X(★05)..X(★06)---
.X(----).....X(★21)..X(★22)..X(★23)..X(★24)..X(★25)..X(★26)---
Posted by シシリー at 2014年07月04日 23:00


【上記の子(男性)】
Y染色体.............常染色体
.Y(O2b1).....X(o01)..X(★02)..X(★03)..X(o04)..X(o05)..X(★06)---
.X(----).....X(★21)..X(o22)..X(o23)..X(★24)..X(★d25)..X(o26)---
↑Y染色体はそのまま引き継ぐ

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④ 上記より【上記の子(男性)】のY染色体ハプロタイプのマーカは「O2b1」のままだが、常染色体は混じった状態となる。また、上記のイメージとは別に、減数分裂の際の遺伝子間の一部組み換えも発生する。
つまり、常染色体は代を重ねる毎に、複雑に混じり合います。

⑤ 目の一重二重、顔の形態はY染色体ではなく常染色体にあるから、「Y染色体=O2B1」にもかかわらず、目が二重で、立体的な顔となる場合もあるし、逆パターンの「Y染色体=D1B」なのに、目が一重で、平べったい顔の場合もあります。

⑥ 約3000年の経過により、縄文系と弥生系が完全に混じっていますので、例えば目が一重なのに、髭が濃く、髪が癖毛であるなど、混在しており、それは、混血である日本人の「個性」と考えればいいでしょう。
Posted by シシリー at 2014年07月04日 23:01
ほんの僅かな数の遺伝子ですが、マーカとともに引き継がれる遺伝子も、例外としてあります。
それは、Y染色体そのものに入っている遺伝子です。この遺伝子だけは、Y染色体と一緒に引き継がれる。つまり「相関関係」がある遺伝子となります。
縄文人の全部ではありませんが、統計的に、縄文人にその傾向が見られ、弥生人には見られない事象であったと考えられ、
そして、現代の日本人の「D」にその傾向が見られ、「O」には見られない事象、つまり、Y染色体ハプロタイプのマーカと連動するものもあります。
極めて数は少なく、今確認されているものを以下に示します。↓
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↓アドレスバーに貼り付けてEnterキー(実行)を押して下さい。
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://www.jsog.or.jp/PDF/56/5609-612.pdf#search='%EF%BD%99%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93%E3%83%8F%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97+%E7%94%A3%E5%A9%A6%E4%BA%BA%E7%A7%91%E5%AD%A6%E4%BC%9A'
Posted by シシリー at 2014年07月04日 23:01
上記の「日産婦誌56巻9号」は、まだ「O2B1」の由来が問題視される以前なので、「朝鮮半島から」との記載がありますが、そこは無視していいでしょう。
Posted by シシリー at 2014年07月04日 23:02
 
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