今から400年前の
メソ・アメリカと呼ばれるメキシコから南はコスタリカ地域は、
コロンブスがアメリカ大陸へ到着する1492年まで、特異な文明が栄えていた。
同じく南米のエクアドルからペルー、ボリビアの当たりも同じである。
それぞれの地域は
モンゴロイド系先住民によって独自に築かれた文明だった。
メソアメリカの文明は
世界四大文明よりも時代は下る。
一番古いとされる
オルメカ文明が3200年前である。
しかしながらメソアメリカの文明は四大文明に十分匹敵するほどの、
高度な文明・文化を誇っていたと言っても過言ではない。
あの
ウリナラ5000年♪のアホ民族など足元にも及ばない文明である。
マヤ・アステカ・インカ展のパンフから引用
メソ・アメリカに栄えた文明を大雑把に次代順に述べると、
オルメカ、マヤ、トルテカ、アステカの順になるが、
それぞれの文明は時代的に独立したものではなく並立的に共存していた。
またメソアメリカの文明は最後の
アステカ帝国を除いて、統一国家という形式ではなく、
個々に独立した
都市国家的要素が強い。
メキシコの古代文明といえば、すぐ
マヤ文明を思い出す方が多いと思うが、
古代マヤ文明と称されるのはメソ・アメリカに栄えた文明のひとつである。
上記以外にも
テオティワカン、サポテカ、ミシュテカなどの各文明が栄えた。
マヤ文明は紀元前3世紀から16世紀の間、メキシコ南東部のユカタン半島から、
現在のグアテマラにかけて栄えた文明で、各文明の中でももっとも広範囲かつ、
長期間栄えたので、メソアメリカの文明の総称としてマヤの名が当てられる事がある。
ちなみに現在世界中で栽培、食される野菜の多くも中南米産のものが結構ある。
トウモロコシ・ジャガイモ・トマト・トウガラシ・ピーマン・ピーナツ・インゲン豆・カカオ
これらはすべて中南米からコロンブス以降世界中に伝播されたものである。
ジャングルの中のパレンケの遺跡
さてこれらメソアメリカの古代文明はユーラシア大陸の四大文明と大きく異なるのは、
世界四大文明がすべて
大河のほとりに栄え、青銅器や鉄器など金属器を使用し、
車輪を発明し運搬に使用していた共通点がまったく見当たらないことだ。
また馬・牛・豚・羊など
家畜の飼育という習慣もなかったようだ。
メソアメリカ古代文明は
密林地帯に栄え、金属器も車輪も使用した形跡がない。
これだけ見ればいまだ
石器時代の原始生活と大差ないではないか、と思われるが、
実際は
高度な天文学や数学、土木・建築学が存在していたのである。
また4万文字とも言われる
マヤ文字もあり、詳細な古代の記録もあったが、
スペイン人宣教師
ディエゴ・デ・ランダの焚書でほとんど失われてしまった。
しかし近年の考古学研究からマヤ文字の8割方が解読されたという。
これは今でも各地域で見られるピラミッドなどの遺跡群から都市国家が彷彿され、
法律や芸術などの文化面でもかなり高度な文明であったことがわかっている。
私など美術系は、博物館で見る発掘品の中でも、特に陶芸関係を見るだけでも、
その素晴らしさは縄文土器か、それ以上の
造形美が発達していたことに驚く。
特に
天文学は四大文明以上の発達が見られ、
1年の時間を365.2420日と計算し、
これは現代の最新コンピューターで割り出した
365.2422日とほぼ同じである。
さらに
火星や金星の軌道・公転周期なども正確に割り出していたというから驚く。
また数学でも
『ゼロの概念』の発見は古代インドよりも早いことがわかっている。
しかし・・・
これだけすごい文明を持ちながら、
人身御供という実に野蛮な儀式を毎日行っていた。
古代マヤ人の宗教は
太陽信仰だったが、太陽の運行には人間の生命が必要と考え、
毎日
生きた人間の心臓を捧げる儀式を行っていた。その生け贄を確保するために、
近隣諸国と戦争をおこなって捕虜を確保していたとも言われている。
火星や金星の公転周期も割り出しす高度の天文学を発達させながらも、
太陽の運行には人間の心臓が必要で、それがないと太陽は昇らないなど、
文明と野蛮の中に生きた古代マヤ人の
アンバランスな文明性がうかがえる。
一説によれば高度な天文学は
占星術を研究した結果だという。
西洋占星術が古代メソポタミアから発展し、古代シナも同じく
陰陽五行説など、
占術の基盤は占星術からきたものである。
アステカカレンダー(太陽の石)
何年も前から言われている
2012年12月23日『地球滅亡説』なども、
その話の元は
マヤ暦からきたものである。
マヤ暦では2011年12月23日までで終わってるのだそうだ・・・?
古代マヤ人の科学や技術はトルテカ人やアステカ人へも伝播していった。
とくにマヤ暦を受け継いだ
アステカカレンダー(太陽の石)は、
彼らアステカ人の人生や国家を左右するツールでもあったのだ。
マヤ暦には数々の予言が神話や伝説に言い伝えられ、
神官たちはこの暦と天体の運行から国家の政策などを決めていたといわれる。
アステカ帝国の皇帝の何人かも占星術を学び、政策に関与していたという。
その占星術の予言が彼らの文明崩壊を決定的にした事件が、
1519年のスペイン人征服者
エルナン・コルテスの到着である。
このグレゴリオ暦の1519年は当時のアステカ人にとって極めて重要な年なのだった。
アステカの伝説には、テスカトリポカ神に追われた
白い肌を持つケツァルコアトル神が、
『一の葦』の年(西暦1519年)に戻ってくると言い伝えられていたのだった!
しかもスペインの白人の容貌とケツァルコアトル神がぴったり一致していたものだから、
皇帝モクテスマ2世はスペイン人を、神の再来だと信じ非常に恐れていたのだ。
その数年前から天変地異が続き、それも伝説などの実現とみた。
あまりにも偶然が重なると、単に迷信だの伝説だのと言ってられなくなるのだ。
アステカ文明を滅ぼしたコルテス軍は、アステカ人の持たない武器(剣や銃)、
アステカ人が見たこともない馬の機動力をフルに生かし、
また皇帝に不満を持つ被支配下の部族を見方に引き入れるという、
権謀術数などを駆使したのは当然だ。
しかし・・・
たった600名の軍隊で何万人ものアステカ軍を滅ぼした背景には、
マヤの予言から端を発する伝説にあったのだ。アステカ人にとって、
ケツァルコアトル=復讐に戻った神=コルテスには逆らえない心理的背景があったということだ。
もっとも現代アメリカの政治家でさえ、キリスト教原理主義者が多く、
ブッシュ前大統領も含め共和党議員の大半が、進化論はまやかしで、
聖書の
特殊天地創造説を信じているというし、
また同じ共和党の
D・レーガン元大統領の妻ナンシー夫人は、
占星術師と相談して、夫の国政への助言を行っていたという噂もあった。
超大国のアメリカの政治家も古代マヤ・アステカ人と大差ないのかも???
まあ、日本の民主党政権の政治なら、占星術で占った方がマシだったりして。
あ、それとこの世は終わりませんから、でも民主党政権はもっと前に終わってほしい!
さて2012年の12月はあと一年半切ったが、さてそのころには日本の政治は・・・