ちょっと気になる話題の動画を見つけた。
↓
『北朝鮮の無人兵器:【Critic】西村’s Voice【西村幸祐放送局】大百科』
http://www.nicovideo.jp/watch/1329411125
これは
西村幸祐氏の時事問題を扱ったネット番組であるが、
ここで取り上げられているのは、無人のロボット兵器の登場で、
戦争と社会との関係が変わっていきつつあるという話である。
この番組によると・・・
現在アメリカは
7494機のロボット飛行機(全軍の41%)を所有し、
地上には
約12000台のロボット兵器が活動しているという。
アメリカではアフガン、イラク紛争で多数の戦死者を出した。
人権世論を無視できないアメリカは、
戦死者を出さない戦争を研究して、
その結果多数の
ロボット兵器が開発されて戦争に投入されている。
アメリカのアフガン、イラクなどの
従軍兵士は人口の
0.5%だという。
それにかわり
ロボット(無人)兵器などが大量に導入されているという。
恐らく将来は映画『ターミネーター』のような
ロボット兵士の時代が、
現実のものになるかも知れないという。
ロボット兵器は
費用対効果も、兵士育成の費用・給料・年金・保険金、
など考えると初期投資はかかるものの、確実に上がる
人件費よりも、
長期的に見れば
コスト・パフォーマンスが得られるということもあるだろう。
そうやって
戦争の無人化が進めば
国民と戦争との関係が希薄になり、
国民世論のなかに
戦争抑止の意識が薄れ始め、一部の為政者による、
戦争遂行が可能となる
独裁化への危険性があるのではないか、
という軍事専門家
ピーター・W・シンガーのレポートを西村幸祐氏が紹介していた。
ただし正規軍以外にも
民間軍事会社からの戦闘要員、
すなわち
『傭兵』を大量に投入していることも無視できない事実である。
ロボット兵器と傭兵の投入で自国の兵士の死亡が減っているのである。
ここで傭兵について簡単に概観してみたい。
古代ローマでは国家安定期には周辺の蛮族などを、
市民権と交換に傭兵に採用するようになった。
これが後に
兵役義務として、移民の国籍取得のための条件の一つになったのである。
だから
移民先の国が有事の際に、戦う意志のない移民は国民になれないのだ。
日本の低脳政治のように
国籍をバーゲンセールする国はない。
国家に忠誠を誓う必要もなく、簡単な事務手続きで日本人になれて、
しかも
二重国籍が認められるとあって、近年
シナ人に大人気である。
これは
河野某という親子二代続く
自民党の売国奴が法の改悪を主導した。
ところでローマ帝国末期には、自国の軍隊をほとんど外国人傭兵に任せた結果、
国民の国防意識は希薄となり、結果的にゲルマン民族の大侵入により滅びた。
やはり
国防の要は国民の国防意識と士気が絶対必要ということだ。
今の日本が或る意味、ローマ帝国末期の国民意識に近いとはいえまいか?
国防の要である自衛隊を継子扱いし、米軍基地をいくつも国内におき、
日米安保を主軸に、米軍の核の傘に甘えた国防意識の希薄な国民・・・
話を戻す。
19世紀以前のヨーロッパの戦争では国家意識も国民軍もなかった。
すべて
自国の義勇兵と外国人の傭兵によって戦争をしていたのである。
自国の戦争を外国人の戦争のプロが行うので、多くの国民は死なない。
だから国民も直接自分たちが関与しない戦争に関心がなかった。
面白い話がある。
三十年戦争(1618~48年)の初期のころは、敵国同士の一般国民が、
互いに商用その他で相手国に入ることも問題はなかったらしい。
戦場になる場所さえ避ければ、他国の人間も問題はなかったという。
戦争が全部傭兵で行われていたので、
国民も他人事みたいだったようだ。
反面為政者にとっては、
傭兵とは外国人の職業軍人であり、
金儲けで雇われた外国人の派遣軍事社員みたいなものだから、
君主や国家に忠誠を誓うわけでもなく、報酬が多い『雇い主』を好んで求める、
商売人みたいなものなので、信用はおけなかっただろう。
フランス革命の後、義勇兵による
国民軍という組織ができる。
自国民の兵士だから愛国心もあるし、自発志願のため金もかからない。
ここに近代国家としての
国民意識が芽生えてくる。
国歌
『ラ・マルセイエーズ』はまさに国民軍の歌である。
後に
ナポレオンが、国民軍制度をさらに効率化するために、
徴兵制導入したのが、現在の徴兵制度の基盤になったのである。
これにより、軍事訓練のシステム化と経済効率化が進んだ。
ただしフランスに関しては1831年に
外人部隊(Légion étrangère)
が創設され、建前上はフランス正規軍の一翼を担ってはいるものの、
これは国軍における現代の
傭兵部隊といえるものである。
ということで・・・
現在のアメリカ軍にもロボット兵器以外に、かなり傭兵が投入されているのだ。
イラク戦争においても、アメリカは正規軍以外に
民間軍事会社を導入しており、
2007年10月段階で各社合わせて
米正規軍を超える18万人が活動中といわれる。
いわゆる
傭兵ビジネスである。
彼らはアフリカを始め、世界中の紛争にも大規模に投入されている。
傭兵派遣会社はアメリカ、イギリスを中心に南ア、オーストラリアなどにある。
業界全体の市場規模は
1000億ドル以上だといわれる。
中でも
ブラックウォーターUS社は世界最大の
傭兵派遣会社である。
事業規模は2001~06年の5年間で
10億ドルを軽く超えるといわれる。
民間軍事会社の仕事は実質上軍隊と変わらない。
社員も元軍人がほとんどであり、各国の特殊部隊上がりや実戦経験者が多い。
しかし命がけの仕事の割りには、先進国の人間には大して高給ではないという。
民間軍事会社の主な仕事とは・・・
●米軍を派遣出来ない地域での武力行使任務、
●民間企業関係者の警護等の私的業務、
●米軍側武装勢力への軍需品・武器供与、
●依託された武装組織の武器指導・訓練・・・などである。
昔はこういった仕事は特殊部隊やCIAなどが行っていたが、
近年では民間の軍事請負会社に政府が発注しているようである。
<参考>
『民間軍事会社』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%91%E9%96%93%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E4%BC%9A%E7%A4%BE
私はロボット兵器(無人兵器)と傭兵会社の需要の高まりを見て、
また
戦争の中世ヨーロッパ回帰をしているのではないかと感じる。
ロボット兵器も要するに、
国民が戦争に行かずにすむ手段であり、
傭兵の代わりとまったく同じものである。
これによってアメリカ国民が戦争の犠牲にならずに済む反面、
戦争に無関心になり、国民の平和ボケがさらにいっそう進むのではないかと思う。
そうなると戦争への歯止めの世論形成ができなくなってくる。
アメリカの今後の国防政策も、ヘタするとP.W.シンガーの指摘のように、
国民の無関心を逆手にとって、一部の好戦的為政者の独裁が進み、
益々危険な方向性へ向かう可能性も否定できないだろう。