てぃーだブログ › トラネコ日記 › 国防・軍事 › 最新鋭護衛艦「くまの」就航

最新鋭護衛艦「くまの」就航

2020年12月16日

海自の最新鋭護衛艦「くまの」進水 日の丸護衛艦の革命児!
多用途性と省力化を追求

新型護衛艦の名称は「くまの」! 艦番号は「2」
防衛省は2020年11月19日(木)、三井E&S造船 玉野艦船工場(岡山県玉野市)にて、新規建造された護衛艦の命名式および進水式を実施しました。「くまの」と命名された同艦は、これまで「30FFM」と呼ばれていた新型護衛艦のなかで初の進水となります。

なお海上幕僚監部広報室の話によると、現在、長崎県の三菱重工長崎造船所で建造中の1番艦よりも先行して進水したため、型名は1番艦の命名まで「3900トン型護衛艦」と呼称するといいます。

「くまの」は全長133.0m、幅16.3m、深さ9.0m、喫水4.7m、基準排水量は3900トンで、乗員数は約90名。主機関はガスタービンエンジンとディーゼルエンジンの組み合わせで、軸出力は7万馬力、速力は約30ノットです。

護衛艦は、増大する平時の警戒監視に対応するほか、有事においても対潜水艦戦闘や対空戦闘、対水上戦闘などに加えて、これまで掃海艦艇が担ってきた対機雷戦に関しても、能力が付与されているのが特徴です。

また従来の護衛艦と比べて、船体のコンパクト化や調達コストの抑制、省人化にも配慮した設計になっているのもポイントといいます。なお、「くまの」は「熊野川」に由来し、海上自衛隊で用いるのは、ちくご型護衛艦の10番艦「くまの」(2001年除籍)に続いて2回目です。旧日本海軍では、最上型軽巡洋艦の4番艦「熊野」が存在しました。

「くまの」は今後、艤装や各種試験を実施したのち、2022年3月に就役の予定です。
乗り物ニュース 2020.11.19
https://trafficnews.jp/post/102022


最新鋭護衛艦「くまの」就航


最新鋭護衛艦「くまの」就航



海上自衛隊の新型護衛艦「くまの」は、日本周辺での警戒監視活動、
対潜戦、対空戦、対水上戦
などにも活用できるほか、掃海艦艇の担当だった、
対機雷戦機能も備えており、さらに中東などの対海賊駆逐活動も行う多目的艦である。

ご覧になってお気づきの事と思うが、従来の戦闘艦艇とは形態が異なっている。
全体に起伏が少なくのっぺりとしており、窓も少ないのはレーダー波や赤外線などが、
反射せず敵に捕らえられにくいステルス仕様になっているからである。

ただ航空機と異なり、艦船は規模が巨大なので完全に敵のレーダーに捉えられない、
というわけにはいかない。しかし敵の対艦ミサイル攻撃をかわすには効果があり、
恐らく艦船のステルス化は対ミサイル防衛に重点を置いていると思われる。

ステルスは近年の世界の小型フリゲート艦の主流ともいえるタイプである。
「くまの」は小型化して小回りもよく乗組員も90名と実にコンパクトにまとめている。
防衛省は「くまの」と同型艦を22隻建造する予定である。

私はこのタイプの護衛艦を増強することに大賛成だ。
これに加え海自は「そうりゅう」型潜水艦をあと10隻建造すれば、
日本周辺海域における対中防衛にはかなり効果がある
と思われる。


最新鋭護衛艦「くまの」就航



近年のイージス艦もステルス形状を取り入れたタイプが増えているようだが、
イージス艦は「盾」という意味で、元来空母護衛が主目的で開発された艦なので、
米海軍は空母打撃軍を中心としたイージス艦に特化した艦隊構成を行っている。

またイージス艦は巨大な電子装置の塊ともいえる艦であり、
対空・対地・対艦・・・あらゆる敵に対応できる万能艦でもあるが、
建造費(1200~1500億円)や人員(200~300人)を必要とする。

一方「くまの」も多目的艦だが建造費は460億円とイージス艦より3割安
また乗組員も90名とこれまたイージス艦の3割以下程度で運用できるから、
専守防衛に特化した海自艦としては非常にコスパにすぐれている

この「くまの」型と「そうりゅう」型潜水艦で日本周辺海域の防衛を充実させてほしい。



最新鋭護衛艦「くまの」就航



ちなみに・・・

海自のそうりゅう型潜水艦ステルス性能は世界一といわれており、
その静粛性と潜水深度は日本独自の技術が随所にいかされており、
専守防衛という任務に特化すればアメリカの原潜でも敵ではない。

特に日本の独自技術といえるのが、船体に貼った吸音パネルである。
これは敵のアクティブソナーから発せられた音響を反射せず吸収するので、
敵艦から補足されにくく隠密行動が可能
なのである。

「海の忍者」ともいわれる潜水艦は隠密性が第一であるが「そうりゅう型」は、
軍事機密で非公開だが潜水深度も600~900mとされており、一般の原潜が500m前後だから、
そうりゅう型潜水艦はこの点でも世界一なのである。


最新鋭護衛艦「くまの」就航

       昔の最強戦闘艦は戦艦だったが、今は潜水艦である。


ここで各国のステルス型フリゲート艦を見てみよう。


最新鋭護衛艦「くまの」就航

        米海軍の最新型誘導ミサイル駆逐艦「ズムウォルト」



最新鋭護衛艦「くまの」就航

       米海軍の沿海域戦闘艦「インディペンデンス」



最新鋭護衛艦「くまの」就航

   インドネシア・R・E・マルタディナタ級フリゲート艦「R・E・マルタディナタ」



最新鋭護衛艦「くまの」就航

     台湾が自主開発した沱江(だこう)級コルベット艦の1番艦「沱江」


私は海自には空母の保有は反対だという考えなのはご承知の通りだ。
空母としての運用にはあまりにも搭載機数(8機)が少なすぎるし、
イージス護衛艦の数も少なすぎる。しかも建造費は1100億円と高い。


ヘリ搭載型護衛艦「いずも」F-35B搭載する空母に改造するそうだが、
同型艦の「かが」もF-35B搭載用に改造する。改修費用は30億円だそうだ。
しかし先島防衛でも恐らくシナの対艦ミサイルで速攻で撃沈されると思う。

むしろ後方支援に強襲揚陸艦として運用するなら良いと思う。
先島奪還のヘリボーン作戦ホバークラフト揚陸作戦を展開させ、
あくまで制空権を確保した上での運用なら良いのではないかと思う。

まあ、奪還作戦も重要だが、まずは奪還されない事の方が先決である。
シナの海空軍を日本の領海・領土に寄せ付けない防衛が第一である。
そのためには自衛隊には現行の二倍のGDP2%の国防費を当てるべきである。


最新鋭護衛艦「くまの」就航

          海自の全通甲板のヘリ搭載型護衛艦


しかし尖閣諸島防衛の腰抜けさをみると日本政府は、
真面目に国土防衛する気があるのか疑問が湧いている・・・



最新鋭護衛艦「くまの」就航










同じカテゴリー(国防・軍事)の記事

Posted by トラネコ at 00:00│Comments(4)国防・軍事
この記事へのコメント
自民党の佐藤正久議員はネット番組「AbemaTV」に出演し、その中で自衛隊の人手不足に関して「一生懸命募集しても、2014年からずっと採用試験の定員割れが続いている」と語った。

また、「一昨年の例で言えば1万7000名が自衛官の試験に合格して、実際に入隊してくれたのは7000名だった」と合格者の半数以上が採用を辞退する厳しい現状についても語った。

特に深刻なのは海上自衛隊で戦後最悪の人手不足とも言われる。このまま人手不足が続けば、将来的に今の規模で海上自衛隊を維持するのは不可能とまで言われている。
政府は陸上自衛隊員や航空自衛隊員を海上自衛隊へと、配置転換する案などの検討に入っている。

→自衛官採用試験、6年連続定員割れへ(日経)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO66420940Z11C20A1000000?s=5

→海上自衛隊、新規採用だけでは志願者が足りず陸自などから配置転換を検討(日経)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66100020R11C20A1PP8000
Posted by 自衛官の採用試験、遂に6年連続の定員割れへ…自衛隊の深刻な人手不足 at 2020年12月18日 01:04
自衛官の採用試験、遂に6年連続の定員割れへ…自衛隊の深刻な人手不足様
同意です。
>1万7000名が自衛官の試験に合格して、実際に入隊してくれたのは
 7000名だった」と合格者の半数以上が採用を辞退
これは何故なのでしょうか?
私も過去何度か自衛官採用をエントリしていますが、その時は競争倍率の高さで人気ある職業だと述べていました。海自が定員不足というのは聞いていましたが、事情は変わったのでしょうか、合格者の半数以上が任官拒否するというのは、昨今のシナ情勢が本当に戦争になるかもという不安感でしょうか? しかし戦争ガ怖くて任官拒否するような人材なら採用して無駄ですけどね。しかしこれも教育と政治の在り方に問題がありますね。真剣に国防を考えている政治家も教育者も極めて少数だということでしょう。これが戦後民主主義という欺瞞の歴史が生んだ悲惨な現状です。
Posted by トラネコトラネコ at 2020年12月19日 20:41
>私も過去何度か自衛官採用をエントリしていますが、その時は競争倍率の高さで人気ある職業だと述べていました。

10年以上前は本当にある程度人気だったのだと思います。
加えて、もともと自衛隊の倍率は「試験を受けた人」を「採用者」で割ってるというのも多いでしょうね。つまり数字のトリックです。
つまり採用辞退者が多ければ多いほど倍率が上がるカラクリなのです。
自衛隊の資料でも採用試験が定員割れしてる2014年以降も自候生の倍率は3倍弱になっています。
曹候補より自候補のが倍率が高いのはおかしいと思われる方も多いですがこれで納得がいきます。
最近は海の曹候補すら定員割れしてるとか…

> 合格者の半数以上が任官拒否するというのは、昨今のシナ情勢が本当に戦争になるかもという不安感でしょうか?

単に自衛隊がブラックだからだと思いますよ。特に海自は陸空と比べてもダントツブラックだと話題です。
今は怒鳴っただけでパワハラになる企業もある時代ですからね。その時代にまず教育隊でしょっちゅう怒鳴られますからね。そりゃ若者はそんなブラック組織行きたくないでしょう。
加えて海自はスマホ使えません。これはあまりに痛いでしょう。スマホが当たり前に育った若者にスマホ使えない状況を何ヶ月もさせるのでは誰も入りたがりませんよ。


少し前にある就活中の若者がこう言っていました。
「自衛隊の説明会ではやりがいばかりを押し出してくる。やりがいをアピールする会社は労働環境や給与をアピールできないからやりがいをアピールしているブラック企業だ」と…
Posted by あき at 2020年12月21日 00:05
あき様
同意です。
>採用辞退者が多ければ多いほど倍率が上がるカラクリなのです。
なるほど。
そういう事だったんですね、納得しました。

>単に自衛隊がブラックだからだと思いますよ。
 特に海自は陸空と比べてもダントツブラックだと話題です。
う~ん・・・
ブラックというのか、自衛隊も一応は軍隊ですからね、紳士的で優しい指導だけでは強い兵士は育たない、というのは古臭い考えなのでしょうか? 
アメリカの海兵隊の訓練を映画で見たことがありますが、歴戦の鬼軍曹が教官で、いつも怒鳴り散らし罵倒しているシーンが印象的です。人権重視のアメリカでも軍隊はこんな感じですからね、しかしこれも御時勢でしょうか・・・
Posted by トラネコトラネコ at 2020年12月21日 20:51
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。