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宗教大国アメリカ 宗教派閥が大統領選を決す!

2020年10月03日

「トランプ氏は神の男」 福音派との蜜月、米国を変えた
2016年6月21日、ニューヨーク・トランプタワーの一室。秋の大統領選に向けて共和党候補の指名を確実にしたばかりのトランプ氏は、キリスト教福音派の指導者約20人と向き合っていた。

「大統領に選ばれれば、(ホワイトハウスへの)絶対的なアクセス権を与える。福音派の考えをアドバイスする重要な役割を担ってほしい」。出席者の一人、「信仰と自由連合」のラルフ・リード会長(59)は、トランプ氏のメッセージが強く印象に残る。

一行はその後、市内のホテルに移動し、トランプ氏と福音派指導者の会合が非公開で行われた。米メディアが入手した音声によると、トランプ氏は「あなた方は米国で最も強力な団体だが、団結しなければならない。教会の中だけでなく、外でもだ」と訴えた。指導的牧師として強い影響力があったビリー・グラハム氏(故人)の息子フランクリン氏は「トランプ氏は米国の歴史の重大な岐路で、国を導く神の男だ」と称賛した。

米人口の25%とも推計される福音派は聖書の記述を忠実に解釈するキリスト教の保守派で、人工妊娠中絶や同性婚への反対、親イスラエルの姿勢などで知られる。敬虔(けいけん)なキリスト教徒ではなく、離婚や不倫を重ねたトランプ氏とは本来、価値観が相いれないはずだ。だが、結果的には強力な支持基盤となった。


守られた「絶対的なアクセス権」
トランプ陣営は会合の直後、リード氏ら25人による「福音派指導者諮問委員会」を組織。翌月には、福音派として知られるペンス・インディアナ州知事を副大統領候補に指名し、保守系の最高裁判事指名など、福音派が重視する選挙公約も掲げた。出口調査によると、16年の大統領選では白人福音派の81%がトランプ氏に投票し、当選の原動力となった。

政権発足後、トランプ氏は「絶対的なアクセス権」の約束を守った。
<後略>以下有料記事
朝日新聞  2020年9月4日
https://www.asahi.com/articles/ASN9341TTN80UHBI006.html


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11月3日のアメリカ大統領選挙まで約一か月となった。
10月は本格的な選挙戦が全米各地で展開されるだろう。
私はトランプ大統領に何が何でも再選してほしいと願っている。

アメリカは日本よりもはるかに宗教が支配する国だといえる。
政治においても宗教宗派の勢力図がかなり当落を決めるのだ。
日本で創価学会=公明党の支援が自民党の勝敗を決めるのと同じだ。

その建国の歴史からみてもアメリカは宗教国家である。
1620年、英国国教会からの迫害で、新天地(神との約束の地)を求めて、
メイフラワー号で「新大陸」にやってきた新教徒が開いた国である。

しかしその実態はアメリカ大陸の金鉱山の発見による、
一攫千金を求めた山師の集団であったという説もある。
これがエル・ドラド、神の王国、約束の地、エデンの園と噂されたという。


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             アメリカ大陸は清教徒にとって
             神に与えられた約束の地だった。



まあ、それはさておき・・・

新教徒というのは16世紀にマルチン・ルターの宗教改革で、
旧教のカトリックと袂を分かったプロテスタントのことである。
だからアメリカはキリスト教プロテスタント国家だといえるだろう。

プロテスタントとカトリックの決定的違いは、カトリックは神の下に教会を置き、
神の代理人とされる神父から様々な宗教的教示を与えられる。
つまりローマ法王庁、教会が神の権威をもっているのである。

それに対しプロテスタントは神と人間の直接の関係を重視する
教会の特権や権威に名を借りた権力構造を徹底的に否定する。
ルターが教会発行の免罪符を焼いたのもそこにあった。

さらにカトリックは労働は神からの罰として捉えるのに対し、
プロテスタントは労働を尊いものとして勤労に励んだ。
勤勉と誠実さこそ神の教えだと考えた。神道の労働観と似ている。

ちなみに・・・

この新教徒のアメリカ人は19世紀半ばに移民してきた、
アイルランド系のカトリック教徒を大量虐殺した歴史があるのだ。
これはアメリカにおける宗教戦争の名残であり黒歴史でもある。


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          イエスも子供の頃は父ヨセフの仕事を手伝い、
          労働を通じて様々な事を学んだ。労働とは、
          糧を得る為だけではなく人生の学びの場だ。



読者諸氏はWASPという言葉をご存知であろう。
White Angro Saxon Protestant(白人、アングロ・サクソン族、プロテスタント)が、アメリカの保守層を意味し、大統領になる資格を有するという意味の略語である。

ただし現実には、この言葉は死語になりつつある。
近年はヒスパニック系(カトリック)が増加しており、
アジア系やアフリカ系も増え、むしろWASPは減少している。

また大統領もJ・F・ケネディはカトリック、オバマはプロテスタントだが黒人だ。
しかもプロテスタント系宗派は主たる派閥で13、その分派、少数派は数百もあり、
同じプロテスタントでも考え方は様々で民主党支持のリベラル系も多い。トランプ大統領は、
福音派ではなく、カルヴァン派系の長老派(プレスビテリアン)だそうだ。

ちなみにアメリカの宗教人口は・・・

プロテスタントが約50%(内、福音派が約25%)、カトリックが約25%、
キリスト教異端派のモルモン教やエホバの証人、姉妹教のユダヤ教、イスラム教、
そしてアジア系の仏教・ヒンズー教などが約5%、無宗教が約20 %である。



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さらに驚くべきことがある。

日本人には信じられない事かも知れないが、アメリカ人の約半分は、
科学的見識よりも宗教心の方が人生には大事だと考えているのだ。
特に共和党支持層である福音派科学そのものを信じない原理主義者も少なくない。

福音派の反科学主義は徹底しており、聖書の言葉は一言一句正しいと信じ、
進化論も地球温暖化も否定し、南部の州では学校で進化論は教えていないそうだ。
最先端科学の国アメリカでも4割の国民は進化論を信じないという。

この現象はヨーロッパ各国のそれに比べても異常に高い数字である。


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       なぜアメリカ人の4割が進化論を否定するのか?
       ~3つの理由を解説~大和 博(やまと ひろし)

       ビジネス英語習得の本質 2020-08-01
       https://ushikubou.com/culture-america-evolution


ちなみに原理主義と宗教右派とは厳密には違うらしいが、
両者とも聖書教条主義という点では共通していると個人的には思う。
いずれにせよ聖書がアメリカ人の統合の思想の役割を担ってきた事は事実だ。

これは無意識の宗教である神道と同じである。
意識するかしないかだけの違いであり、これが国民のアイデンティティとして、
国家の統一を助け、同時に国民的矜持と愛国心の精神的土台になっているのだ。


<関連エントリ>
宗教とナショナル・アイデンティティ
https://ryotaroneko.ti-da.net/e2491321.html

<参考記事>
進化論を小学校で教えない愚
NEWSWEEK 2009年11月26日(木)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2009/11/post-760.php

米国で進化論を信じる人が過半数超え
日経ビジネス 2019年7月26日
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00059/072400117/?P=2&mds

<参考資料>
進化論裁判
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B2%E5%8C%96%E8%AB%96%E8%A3%81%E5%88%A4


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    「科学に頼りすぎていて信仰が十分ではない」と考える人の割合


その福音派はカルヴァン派の影響を強く受けた宗教的政策として、
堕胎(人工中絶)反対、同性婚反対、国民皆保険反対、不法移民反対、
つまり民主党の推進する政策にはすべて反対なのである。

ちなみにバイデン候補はカトリック教徒である。
ということは民主党だが、中絶には宗教的には反対する立場である。
しかしこの点についてバイデンは、明確に自身の立場を明らかにしていない。

話を戻す。

教会の思想が政治に反映することが選挙の争点になる。
そうなると政治家は教会とは無縁ではやっていけないということになる。
教会の宗派の考えが共和、民主両党の主義主張と重なるのである。

政党支持の州別分布は、産業・経済構造や人種、社会階層などにも影響されるが、
宗派別の教会勢力の分布が、共和党・民主党の支持層にも関係しているのも事実だ。
福音派は人口の25%を占めるから、共和党には重要な宗派になるのである。


宗教大国アメリカ 宗教派閥が大統領選を決す!


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あと一か月でアメリカの次期大統領が決まる。
マスゴミの大部分は反トランプでネガキャンに忙しいが、
着実にトランプ陣営は支持層を拡大しているようである。

 次期アメリカ大統領にトランプが再選されるかどうかは、
 これはアメリカだけでなく、世界規模の運命が決まる。
 悪の帝国シナを叩きつぶせるのはトランプだけである。


そして・・・

 シナ工作に汚染された自浄能力のない政財官界、
 日本政治を救うのもトランプ政権しかないのである!



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Posted by トラネコ at 00:00│Comments(6)思想・宗教
この記事へのコメント
トランプ氏がコロナ感染しました。

お歳がお歳ですし、心配です。

万一、重症化されますと、当選されても職務を全う出来るのか・・・。

あ、副大統領を繰り上げして大統領という手もありますね。

いずれにしても、選挙の日まで頑張って頂きたいですね。
Posted by 47で正社員でスネかじりの童貞 at 2020年10月03日 06:17
47で正社員でスネかじりの童貞様
同意です。
仰る通りトランプも元気とはいえ高齢者ですから、武漢肺炎の致死性は高まるでしょう。でも世界最高の医療技術を誇るアメリカの大統領はそう簡単に死なないと思います。それよりもこれってシナのテロ?とは考えすぎでしょうか・・・
Posted by トラネコトラネコ at 2020年10月03日 19:45
トランプ大統領は是非コロナに勝って、元気に復活して欲しいですね多分大丈夫でしょ。
Posted by うさこ at 2020年10月03日 21:21
今は、アメリカのキリスト教保守派同士でもLGBTに関しての意見が割れてきているみたいですからね。
キリスト教徒の保守派も一枚岩ではありません。
トランプ大統領やペンス氏を含む共和党内の保守派の政治家や議員を支持するLGBTの団体もあるくらいですからね。
日本で云えば、護る会と云う自民党内の保守派の議員の先生たちを支持するLGBTの団体があるような感じだと思えばいいかなぁと思います。
今、アメリカやカナダ、ヨーロッパ諸国では、LGBT Conservatism(和訳・LGBT保守主義)と言われている保守系の著名人やコメンテーター、キャスター、政治家、芸能人や団体が増えてきています。
Posted by 沖縄出身の若者 at 2020年10月03日 21:40
個人のシュウキョウ感や趣味嗜好も色々あるでしょう。それを全否定して、社会はこうあるべきでてそれに反する人を攻撃するのは私は好みませんが、大勢の人がしゅうだんで生活するにはルールが大切です。個人の感情云々は色々ですよ。なにが間違いで間違いないでないのか、とても難しい。だから、誰でも分かりやすく、してはいけないの基準は、人に迷惑かけないです。すごく単純ですが、
これは、人との生活で基本ですよ。これを守る人が多勢なら、世の中、凄く良くなると思うのです。欧米人は自己主張し過ぎw自分の思いどうりにならないのが世の中。でも、思いどうりにならないから辛抱して生活してたら安寧な生活になって〜皆笑って暮らしてたわ〜みたいな事ってあるのよね。自分、自己主張も大切な時もありますが、人は一人生きてる訳じゃないですからね。
Posted by うさこ at 2020年10月03日 22:52
うさこ様
同意です。
アメリカみたいないろいろな価値観や宗教を持つ移民で成り立つ人工国家は、強い社会規範や国家観を国民に持たさないと社会が安定しませんね。恐らくそれがキリスト教プロテスタントであり、もう一つは民主主義という概念でしょう。そういう国でも近年移民問題は深刻な社会問題になりつつあります。日本のような均一性の強い単一民族国家の場合、少数ならいいですが大量移民は国体の破壊になりますから、武漢肺炎を契機に移民はご遠慮してほしいです。



沖縄出身の若者様
同意です。
日本のLGBT団体に批判的な同性愛者も結構いますよね。
この団体が純粋に同性愛者の社会的地位向上や社会的認知を広める活動だけならいいのですが、原発反対だとか、米軍基地反対とか、政治活動にまで範囲を広げればついていけない人は当然でてきます。BLM運動も同じで黒人にもこの運動に疑問を持ち相当批判的な人がいます。この手の団体は反政府運動に利用されやすいですね。
Posted by トラネコトラネコ at 2020年10月04日 09:25
 
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